食品産業新聞社は「2016食品業界ヒット商品番付」をまとめた。注目の東の横綱には、RTD(低アルコール飲料)としては初めて「アサヒもぎたて」が座った。西横綱には久しぶりにビールジャンルの「47都道府県の一番搾り」となり、酒類の東西横綱がそろった。大関の「生茶」「冷凍チャーハン」などはおいしさ訴求だが、健康、簡便をキーワードとした高付加価値商品に好調な商品が多かった。

弊社が制定する「食品業界ヒット商品番付」は、主に前年及び前々年後半に新発売しヒットした商品を対象としている。これに加えトレンドを形成した商品群、形態、マーケティングなども選んでいる。

番付編成会議はまず横綱の推挙から始まる。市場規模からみてビール類、飲料などが毎年候補に挙がるが、今年は酒類2品を推挙した。

東横綱の「アサヒもぎたて」は16年4月発売。RTD市場で現在の主流「高アルコール果汁系のスタンダード価格」のど真ん中で、市場リサーチと開発に3年をかけ、満を持して勝負した商品。当初の年間計画375万箱の2倍近くの706万箱を販売した。

西横綱の「47都道府県の一番搾り」は久しぶりのビールの横綱就任。「地元の誇りを、おいしさに変えて」をスローガンに全国9工場の工場長と、全国の支社長が、地域の食・文化・情報などに精通している方と一緒になって商品コンセプトを共創した。年間販売目標を当初は120万c/sとしていたが、震災復興応援で「熊本づくり」を全国発売することもあり、最終的に300万c/s近くになった。

大関は飲料と冷食。「キリン生茶」は昨年3月のリニューアル以来、特にコンビニで好調で、16年通年の販売数量は前年比44%増の2625万箱を達成。まるごと微粉砕した〝かぶせ茶〟の粉末茶を加えて実現した新しい緑茶の味わい。「冷凍チャーハン」はニチレイフーズの「本格炒め炒飯」や味の素冷食の「ザ★チャーハン」、さらにCVsのPB品などんもヒット商品があり、新たな冷食のカテゴリーを構築した。

張出大関は東方に機能性ヨーグルト。明治「R‐1」「LG21」をはじめ、機能性表示食品の雪印メグミルク「ガセリ菌sP株ヨーグルト」など乳業各社商品が、消費者ニーズを掴み急成長、16年度は1200億円規模まで膨らむ見込み。西方の日清食品のカップヌードルリッチは16年4月発売でレギュラータイプより、50円高い230円というプレミアムタイプの商品。「贅沢とろみフカヒレスープ味」など2品で登場し、10月には「無臭にんにく卵黄牛テールスープ味」を投入した。高価格帯のカップ麺はという新しい市場を開拓している。

関脇の「ハイカカオチョコレート」は、カカオポリフェノールの効用が浸透したことから中・高齢層を中心に人気。高価格帯アイスは「冬アイス」の浸透も後押しし、CVs売場などで200円前後の商品が定着、販売単価押し上げ効果で、16年度アイス市場は過去最高記録更新する見込みだ。

張出関脇は流通関連。CVs(コンビニエンスストア)のレンジ調理ラーメンは、以前から各社が発売していた品目だが、2015年秋にファミリーマートがスープ、麺、具材を刷新し、「ファミマのラーメン」として売り込み、専門店のような本格的な味が支持されてヒットした。翌16年に入り、他社もレンジ調理ラーメンを一斉に強化しだした。16年秋には業界最大手のセブン‐イレブン・ジャパンも全面刷新して市場が広がり、CVsの新たな看板商品として定着した。

ガス充填惣菜は、鮮度を保ったまま消費期限が伸び、トレー型容器で食卓にそのまま出せる利点がある。それまでのスタンドパウチ惣菜は練りサラダや煮物中心だったが、焼き魚や揚げ物なども商品化でき、買い置きできるCVsの個食惣菜のバラエティーが拡がった。セブン‐イレブンが15年から品目を随時追加してきたが、16年にはファミリーマートがスタンドパウチからトレー型のガス充填に全面的に置き換えた。

小結の「レトルトハンバーグ」は原料、ソースを吟味した高級ハンバーグ。畜肉製品でプチ贅沢需要を創出した。コーヒー各社から発売の「カフェインレスコーヒー」は消費者のライフスタイルが多様化する中、「カフェインレスコーヒー」は一昨年秋から大手メーカーが相次いで新製品投入や販促強化を行い、メディアでも露出が高まった。

前頭に位置する商品はいずれも16年を代表するヒット商品。消費の2極化に対する高付加価値商品が目立つ。また健康、簡便、個食など時代のニーズを具現化した商品も多い。