業務用玉子焼類においてトップクラスのシェアを誇る同社の中でも、顧客の細かな要望に応え、最も多く新商品を出しているのが厚焼玉子だ。中でも、14年6月に発売した「厚焼玉子(焼目入)」は近年のヒット商品となっている。

量販店などから日持ちする商品の要望があり、「厚焼玉子LN(焼目入)」や「冷凍厚焼玉子LN(焼目入)」などを投入。現在でもニーズは多く、直近では16年8月に、にぎり寿司向けの「厚焼玉子7㎜カット(焼目入)」を発売した。

同商品は、焼目を入れることで、より手作り感を出すことが可能だ。通常ロングライフ商品は、添加物の影響などにより焼目がにじんでしまうため、綺麗な焼目入りの厚焼玉子を焼くことが困難だった。しかし、同社の特許技術により、にじみを解消することができ、他社には真似できないロングライフの焼目入り玉子を製造することに成功した。シンプルなおいしさなども評価され、売り上げ(冷凍品とカット品を含む)は堅調に推移。

16年度は前年比約70%増の伸びとなっている。
あじかん開発本部開発部 大﨑宏樹氏

あじかん開発本部開発部 大﨑宏樹氏

〈常識を破りあえて焼目入を〉
「厚焼玉子(焼目入)」は、玉子の層間に焼目を入れることで、より手作り感のある厚焼玉子を再現することに成功した製品だ。厚焼玉子に焼目が入っていることで、巻寿司の断面に色目を加えることができ、見栄えアップにもつながっている。

「玉子焼は焼目が入らないものが職人品質であり、焼目のあるものは素人が焼いた商品だ」という常識がある中で、この商品の開発はスタートした。開発の過程で、あえて焼目をつけることは実はとても難しいと知ったのは驚きだった。焼目がきれいにつく配合を検討するなど、何度も試作を繰り返した。

この焼目により、お客からは手作り感があって良いという評価をもらえたことは大変な喜びだ。思いを込めて開発した製品は自分の子供のような気持ちがするもので、じわじわと売り上げが伸びるごとに子供が成長していくような感慨を感じる。

また、この商品の配合をベースに、各顧客のニーズに対応させ、ラインアップも増やしている。特に、日持ち機能のある焼目入玉子は、従来、焼き色にむらができ、きれいな焼目を製造することが困難だが、独自技術によりそれを解決し、今ではコンビニエンスストアなどでも採用されている。

ただ、これらの成果は、営業担当者、生産担当者の協力がなくては達成出来なかった。感謝している。

〈食品産業新聞2017年12月4日付より〉