巣ごもり需要でスープ好調、“間食以上、食事未満”スナッキングフード「じゃがネル」「カップごはんトロリ~ズ」提案/ポッカサッポロフード&ビバレッジ

ポッカサッポロフード&ビバレッジ「じゃがネル」(コロッケ味カップ、ピザ味カップ)
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、新型コロナの影響による巣ごもり需要の高まりからスープ事業が好調に推移している。秋冬戦略では、定番ブランドの「じっくりコトコト こんがりパン」に注力するとともに、間食と食事のボーダレス化を受け、新・食スタイルの「スナッキングフード」を提案する。

同社の征矢真一社長は、オンラインでこのほど実施したスープの戦略発表会で、「スープ市場はある程度出来上がったと思っていたが、最近の動向を見て現在は考えを変えている。今後は組織変更も視野に入れながら領域を広げ、売上拡大を目指す。お客様のいろいろな食シーンに向け当社の技術でトライすれば、まだ伸ばせる余地がある」と話した。

2020年3~6月のスープ市場は、スーパーやドラッグストアにおいて、インスタントスープやカップインスタント、レトルトや缶タイプまで、ほぼ全てが好調に推移した。ポッカサッポロは、「じっくりコトコト」の再活性化に取り組むとともに、本格参入した冷製スープが前年比140%で推移し、新製品のタンパク質が手軽においしく摂れる「きちんとチキン 鶏だし白湯スープ」(3月発売)も女性に支持されるなど、スープ事業が活性化している。

秋冬に向けては、自社の独自技術を活かし、「新しいおいしい」をさらに実現していく考え。中心となるのは、カップの「じっくりコトコト こんがりパン」への再注力と、スープカテゴリー外への領域拡大のチャレンジだ。

「じっくりコトコトこんがりパン」ブランドは、8月17日から4年ぶりの全面フルリニューアルを行う。直感的においしさやぬくもりが伝わるデザインに変更し、中味は素材の味をより引き出す設計に改良。定番品に「オニオンクリームポタージュ」を追加した。

そして、注目はスープ売り場の枠を飛び越えた「スナッキングフード」という新カテゴリーの提案である。これは、在宅勤務の広がりで間食と食事のボーダレス化が顕著になり、「間食以上、食事未満」の新・食スタイルに対応するもの。「スナッキングフード」の新商品として、お湯を注いで練って食べるカップ入り軽食ポテトの「じゃがネル」(コロッケ味カップ、ピザ味カップ)の2アイテムを8月17日から発売した。

主なターゲットは男性を想定。1食あたり136kcal以下に仕上げた。征矢社長は、「お客様のマインドが変化する中で、従来の枠を越えた商品を提案する。“じゃがネル”は、お湯を入れてグルグル回しているうちに出来上がるという変わったコンセプト。ベースにあるおいしさは絶対の自信がある。どのようなシーンで食されるのか、まず発売してお客様に評価をいただきたい」と開発背景を話した。

また、「スナッキングフード」の提案として、軽い食事代替となる「カップごはんトロリ~ズ」シリーズ(濃厚クリーミーチーズ、参鶏湯風、花椒香る坦々)の3品も同日から発売した。好きな時間に気分に合わせて小腹が満たせる設計だ。

ポッカサッポロフード&ビバレッジ「カップごはんトロリ~ズ」(濃厚クリーミーチーズ、参鶏湯風、花椒香る坦々)

ポッカサッポロフード&ビバレッジ「カップごはんトロリ~ズ」(濃厚クリーミーチーズ、参鶏湯風、花椒香る坦々)

 
自宅で過ごす時間が長くなった生活者は増えており、手を汚さず気軽に楽しめるスープの役割は今後ますます高まることが予想される。征矢社長は、「当社のスープ食品事業は今年で40周年。最初(1980年)は缶入りスープからスタートして、1981年に粉末インスタントスープを発売。そこに今度はつぶコーンをそのまま入れる努力をし(1988年)、さらにクルトンやパンを入れてみたりなど、スープ事業に関してはいろいろな技術を駆使してここまで育ててきた自負がある。これからも食シーンや季節ごとに新しい提案を行っていきたい」と話した。

ポッカサッポロフード&ビバレッジのスープ商品

ポッカサッポロフード&ビバレッジのスープ商品