「地場産物を活かした我が校の自慢料理」をテーマに「第12回 全国学校給食甲子園」決勝大会が昨年12月2・3の両日にわたって、女子栄養大学(東京都・駒込)で開催され、埼玉県の越生町立越生小学校が優勝した。

献立は、山吹の花ごはん、五大尊つつじあえ、越生うめりんつくね、ゆずの里ゼリーなどで、地場産物の米や野菜、越生町の梅やゆずをふんだんに使用。越生町の自然や歴史文化に触れることができるメニューだ。表彰式で栄養教諭の小林洋介さんは「明日からも子どもたちのためにおいしい給食を作りたい」と意気込んだ。白熱した決勝大会の模様を紹介する。

〈「応募献立食育コンテスト」を初開催〉
日本一の給食を決める年に1度の学校給食の祭典、「全国学校給食甲子園」。今年は2,025校・施設の応募があり、4回の厳正な書類審査を経て、全国6ブロックの代表12校・施設が決勝大会に勝ち進んだ。

12月2日には、「応募献立食育コンテスト」が初めて開催され、“元児童”の審査委員を子どもたちに見立て、学校現場と同じように食育授業が行われた。選手は制限時間5分の間で、献立と地元産物のつながりや食を巡る地域の歴史、文化などを現物や図など趣向に富んだ宣伝媒体を使い、分かりやすくアピールした。子どもに興味を持ってもらうアイディアは驚きの連続で、熱意を込めたプレゼンテーションは審査委員を圧倒させた。

翌日、3日は本番の調理審査だ。女子栄養大学の調理室で、60分以内に6人分を調理・後片づけを行い、審査委員は献立内容、調理技術、衛生管理、チームワークなど調理過程を評定する。完成した給食は、審査委員14人と子ども特別審査員2人が味付けや見た目を審査し、前日の食育コンテストの審査結果も加味して各賞を決定した。
優勝した越生小学校の栄養教諭 小林洋介さん(左)と調理員 三好景一さん

優勝した越生小学校の栄養教諭 小林洋介さん(左)と調理員 三好景一さん

〈誰にでも喜ばれる給食を求めて=小林さん〉
優勝の栄冠に輝いたのは、埼玉県越生町立越生小学校。栄養教諭・調理員ともに男性のペアで出場し、初めて優勝した。準優勝には、奈良県宇陀市立学校給食センターが選ばれた。

優勝した越生小学校の栄養教諭 小林洋介さんは「誰にでも喜ばれる給食を作るために、常に最善を尽くそうと、ずっと頑張ってきた。今日、それが報われて優勝することができてよかった。今日この日を迎えるまでに多くの方に支えられ、練習も一生懸命頑張ってきた。調理員さんはとてもおいしい給食を作ってくれる。明日からも子どもたちのために、おいしい給食を作りたい」と意気込んだ。

〈勝因は越生町と子どもたちへの愛=三好さん〉
調理員の三好景一さんは「小林先生の足を引っ張らないようにという気持ちだけでついてきた。先生の、越生町と子どもたちへの愛を強く感じて優勝した越生小学校の栄養教諭 小林洋介さん(左)と調理員 三好景一さん 写真提供:全国学校給食甲子園第12回 全国学校給食甲子園優勝は埼玉県!越生町立越生小学校が2,025校・施設の頂点に!メニューアイディア 2018年 1月号9いただき、だからこそいただけた賞だと思う」と大きな優勝カップを手に、笑顔で喜びを語った。

準優勝した宇陀市立学校給食センターの学校栄養職員 辰己明子さん(左)と調理員 宇良章子さん

準優勝した宇陀市立学校給食センターの学校栄養職員 辰己明子さん(左)と調理員 宇良章子さん

〈農家や宇陀市の皆さんのおかげ=辰己さん〉
準優勝した奈良県宇陀市立学校給食センターの学校栄養職員 辰己明子さんは「この結果は、毎日野菜を届けてくれる農家の皆様や、宇陀市の皆さんのおかげだと思う」と感謝の言葉を綴り、調理員の宇良章子さんは「給食センターの他の皆も頑張ってくれた。皆と一緒にいただいた賞だと思う」と語った。

〈感動を全国へ、学校給食甲子園のさらなるレベルアップを=全国学校栄養士協議会・長島美保子会長〉
その後、審査副委員長の(公社)全国学校栄養士協議会の長島美保子会長が講評を述べた。第1次審査では文部科学省の学校給食摂取基準に基づき、その規則に則ったものであるかを考え、選出。続く第2次審査では、▼地場産物が有効に活用されているか、▼食材の特色が生かされているか、▼食育の教材として活用されたものであるか、の3点から吟味し、都道府県代表を選び、第3次審査で6ブロック24施設に、第4次審査で12校・施設に絞ったという。

長島会長は「食育授業コンテストも、本日の審査も優劣つけがたく大変な審査になったが、心を鬼にして審査した」と述懐し「優勝した越生小学校の小林先生は、食育の部門でも優秀な評価だった。地域性豊かな食材をふんだんに取り入れ、生産者の顔が見える、効果的な給食を実施していて、インパクトの強い食育も実践されていた」と高く評価した。そして「明日から頑張って、子どもたちのために給食を作り、食育を推進していただきたい」とエールをおくった。

〈学校給食の発展に向け大会継続、ご支援を=21世紀構想研究会・馬場錬成理事長〉
さいごに、特定非営利活動法人21世紀構想研究会の馬場錬成理事長が「これからも社会的にインパクトのある発信をしていくという気持ちを込めて、学校給食甲子園を続けていきたい。皆さまのご支援を改めてお願いします。ありがとうございました」と述べ、閉会となった。

同大会はNPO法人21世紀構想研究会が主催し、文科省・農水省など9団体が後援。キユーピー、シマダヤ、三島食品、マルハニチロ、学校給食用食品メーカー協会など46の企業・団体・個人が協賛している。

〈給食雑誌「月刊 メニューアイディア」2018年1月号〉
※写真提供:全国学校給食甲子園

激戦を繰り広げた12チーム・24名の選手と審査委員

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