給食企業の「スマートミール」認証事例を紹介、第40回フード・ケータリングショー内セミナーで/日本給食サービス協会

日本給食サービス協会は去る2月20日、第40回フード・ケータリングショーの一環として、協会主催セミナー「~安全・安心に取り組んでおります~健康な食事・食環境『スマートミール』への取り組み」を東京ビッグサイト東1ホールで開催、事前登録のあった150名をはるかに上回る270人以上が参集した。

大盛況の会場で受託給食企業3社は、健康な食事・食環境の認証制度「スマートミール」導入への経緯や工夫点を発表した。その後、申請にあたっての留意事項や課題も共有され、参加者はスマートミールへの理解を深めた。

〈 「スマートミールの認知度向上で事業所給食の見直しを」/日本給食サービス協会・西会長〉
フード・ケータリングショーで開かれる協会の主催セミナーは給食現場で起こる諸問題に対して会員企業が改善、工夫した取り組みを発表するもので、今年で13回目を数える。発表テーマは、昨年4月に初めて登録申請が始まり、昨年9月には第1回目の認証式が行われた健康な食事・食環境の認証制度、通称、「スマートミール」。開催にあたり、西剛平会長((株)レパスト社長)は、協会が日本給食経営管理学会とともに平成27年からスマートミールに取り組んできた経緯や、第1回の認証式で給食・外食・中食の3部門で合計81社が申請し、そのうち70社が認証を受けたことを説明した。特に、給食部門においては、認証を受けた34社のうち、協会の会員企業が32社、外食部門でも25社中、会員企業が2社認証を受けたことを述べて、「協会内でも、スマートミールの活動は確実に浸透している」と見解を示した。

そして「協会が2年ごとに実施している会員台帳調査によると、毎年平均1,000事業所ずつ社員食堂等の事業所給食が減少している。しかし、一方で『健康な食事』に対するニーズは高まっており、このスマートミールの認知度が上がることによって、『健康な食事』を提供する事業所給食が見直される起爆剤になること、さらには多くの人が『健康な食事』をとることにより、健康寿命の延伸につながることを期待したい」と抱負を語った。

〈「スマートミールは時宜にかなったテーマ」、見える化と差別化を期待/農水省食料産業局外食産業室・新藤室長 〉
続いて、来賓の新藤光明 農林水産省食料産業局外食産業室室長は「本日のセミナーのテーマはスマートミール。時宜にかなった内容である。第1回の認証を受けた会員の皆さんがその取り組みを惜しげもなく披露し、それを協会として横展開につなげるすばらしい取り組みである」と称賛した。

そして「給食産業を含む外食産業の市場規模は平成23年ごろに頭打ちとなり、足下の緩やかな人口減少のなかで少しずつ微増傾向にある。今後、長いスパンで見た場合、何千万人の単位で労働人口が減る。このことを考えると、国内市場の縮小は避けられない」と業界の展望を分析した。その上で「いかに新しい市場を開拓するか、あるいは既存の市場の中でより高い価値を創出するかが重要になってくる。健康に配慮した食事のニーズは今後も重要性を増してくる。スマートミールはメニューだけでなく、事業所・店舗の環境などを総合的に評価し認証するものであり、星1つ、2つ、3つとランキングがある。会員の皆さんがそれぞれ『健康な食事』の提供に取り組み、それをできるだけ見える化して、差別化を図ることを期待している」と激励の言葉をおくった。