〈全国16支店の代表者が巻き起こす“食宅便のイノベーション”〉
日清医療食品は9月6日、全国16支店の代表者が献立・調理技術等を競う全国料理コンテストを大阪ガスhu+gMUSEUM(大阪市)で開催した。コンテストのテーマを『食宅便で届けたい新たな食事』とし、今後の社会的背景や多様化するニーズに応える、イメージを一新する商品開発を目指す。優勝した東京支店のメニュー名は、運動と食事で健康寿命UP!「アスリート飯」。病院、介護施設に続く第3の医療サービスである「在宅」において、病気にならないための予防、病気にかからない未病に伴う健康寿命の延伸には運動と食事が重要と考えメニューを作成した。

高齢者世帯数の増加や医療・介護の在宅化等の流れを受けて、栄養管理もできる配食サービスのニーズが高まっている。その市場規模は09年度から14年度の6年間で1.8倍強に拡大しており、2021年度には2.7倍に拡大する見込みだ。在宅配食サービス事業「食宅便」は2012年4月に始まり、7年が経過した現在の利用者は約67万人。市場シェアは4位まで成長している。

開会にあたり、菅井正一社長は「今期は経営方針に『イノベーションによる業務効率と社員満足度の向上』を盛り込んだ。イノベーションを重視し、食宅便をお客様目線に立って提供することを忘れず、心を込めた作品に仕上げてほしい」と選手に期待をかけた。

献立は一般成人を対象に、テーマは自由。調理時間120分で料理5品を4食分作成する。食器は通常、食宅便で使用している専用容器を用い、主菜2品の使用食材や献立の栄養価、禁忌メニュー、重量など細かく規定されている。理由は、次の食宅便の献立への採用を意図しているから。選手は、自分たちが考案した献立が入賞し、在宅で食事を楽しみにしている利用者に届くことを願い、調理とプレゼンテーションに支店のプライドをかけて熱心に取り組んだ。

〈作品には病院・介護施設で大好評の “みんなの日曜日” プロジェクトに絡めた内容も〉
菅井社長に詳しく話を聞くと、「配食サービス市場は様々な企業が参入し、競争が激化している」という。そこで、さらに上を目指すため料理コンテストのテーマに選んだ理由をこう話した。「ヘルスケアフードサービスのリーディングカンパニーである当社には、1年365日3食欠かさず食事を提供する使命があり、現場はその使命を全うするため、長年にわたり知恵と経験と技術を培ってきた。全国で活躍している現場の皆さんの声にはたくさんのアイデアがつまっている。選手のアイデアを次の食宅便に採用することが、選手にとっての大きなやりがいになり、刺激になると嬉しい」。

作品の中にはインバウンドやダイバーシティなど外食・給食業界を取り巻く環境要因を盛り込んだものや、同社が8月から開始し受託事業所で大好評の“みんなの日曜日”プロジェクトに絡めた内容もあった。同プロジェクトは、吉野家とモスフードサービスと提携し、塩分を抑え食べやすくした牛丼やハンバーガーを病院・介護施設内で提供するもので、楽しい日曜日のお出かけ気分やわくわくする外食気分を創出している。

〈優勝は東京支店の、「アスリート飯」 運動と食事の管理で疾病予防〉
厳正な審査が行われ、栄えある優勝は東京支店が輝いた。メニュー名は、運動と食事で健康寿命UP!「アスリート飯」。東京2020大会を来年に控え、スポーツを通した健康管理に注目が集まる中、病院、介護施設に続く第3の医療サービスである「在宅」において、病気にならないための予防、病気にかからない未病に伴う健康寿命の延伸には、運動と食事が重要と考えメニューを作成した。2位の四国支店は「龍馬の日曜日」と題して、坂本龍馬の好物をふんだんにメニューに盛り込んだ。3位の北関東支店は、“みんなの日曜日”プロジェクトを食宅便にアレンジして洋食嗜好に対応した。

東京支店のリーダー姉崎騰さんは「すごくいいチームで楽しかった。その上、優勝という最高の結果をもらえて、ものすごく嬉しい」と喜びを爆発させた。また、渡辺修支店長は「この栄誉が社員の励みになり、ひいては満足度向上、定着率向上につながることを期待している」と語った。

表彰式で菅井社長は「本日の作品は、みんなが食べたくなる、心も体も踊りたくなるものばかり。全選手、全支店へ賞賛を贈りたい」とねぎらい「プレゼンテーションはどれも見事でこれなら売れると確信した。食宅便を第2の柱に育てたい」と強調した。続いて、山田英男副社長は「入賞作品のみ商品化を計画していたが、16支店それぞれ良い商品があり冷凍に向くものがあったのですべての作品の商品化を検討し、食宅便事業をさらに発展させたい」と意気込んだ。

外部審査員を務めたトオカツフーズの反田社長は、「楽しいコンテストだった。味付けと盛り付けは参考になり、アイデア満載だった。今後の商品開発につなげたい」と評価し「食宅便は冷凍の商材である。冷凍の分野は冷凍・解凍ともにまだまだ課題があるが、一方で深刻な人手不足やフードロスの対策にも一役買えるものである。コンテストを契機に食宅便の理解を深めていただき、様々な場面で活用いただくことを期待している。我々も引き続き冷凍の商材の研究を重ねて、よりおいしい食宅便を届けられるよう努力していきたい」と語った。

超高齢社会ニッポンにおいて、在宅への食事提供が大きな課題になっている。全国の病院・介護施設現場で培われた知識・経験・技術が注力された作品が食宅便にどう反映されるのか、今後の動向に注目が集まっている。
日清医療食品・菅井正一社長(中央)と、優勝を喜ぶ東京支店の皆さん

日清医療食品・菅井正一社長(中央)と、優勝を喜ぶ東京支店の皆さん