今回の災害訓練では、支援物資の空輸訓練とともに岐阜大学とヒラタ学園と共同でダウンウォッシュ耐久実証訓練も行った。

ヘリコプターの運航はパイロットが他の飛行機や障害物を目で見て、自分で衝突を回避しながら飛行する有視界飛行方式をとるため、太陽が出ている日中以外は、航空法の基準を満たした夜間照明がない場所での離着陸は航空法及び安全上から原則、禁止されている。

しかし、夜間照明の設置には電気工事等の費用が約1,000万円程度かかり、また災害時での物資の空輸やドクターヘリが出動する場合、出動ごとに着陸する場所が異なることから、想定される離着陸場所にヘリポート夜間照明の工事を行うことは不可能であることが大きな問題だった。

そこで、ヒラタ学園と岐阜大学は協業して、電気工事が不要で、安価で、かつ持ち運びができるこれまでにない夜間照明の開発に着手し、試作機を作成。日清医療食品の災害訓練で、試作機がヘリコプターの離着陸の際に発生する風(ダウンウォッシュ)に耐久できるかを確認して、問題ないことを明らかにした。
夜間照明の試作機

夜間照明の試作機

実証実験を終えて、ヒラタ学園の小笠原健太課長は「国内の既製品は3kgあるのに対して、試作機は1kg。ダウンウォッシュに耐えて飛ばないことが証明できてよかった」と安堵した。小笠原氏によると、ヘリポートがあっても、夜間はほとんど使用できないことが多いという。「各市町村1セットは持たれた方が良いと思う。夜間に使えないのは大きな問題。非常時に必ず機能する」と強調した。
 
岐阜大学工学部の松下光次郎准教授に課題を尋ねると「試作機はフラットで軽く、LED照明として機能したのは良かったが、設置場所が芝生だと、草木に紛れて光が見えなくなる。光がうまく草木の間から通るように照射面の角度を変えるなど工夫したい」と語った。
 
薄型で持ち運べて誰でも設置できる新しい夜間照明器は、来年春頃に販売を予定している。社会問題を解決する画期的な商品が流通することで、災害発生時の安全性が高まることを期待したい。
 
〈冷食日報 2019年10月10日付〉