女子ホッケー“さくらジャパン”のパフォーマンス向上をスポーツ栄養士監修のアスリート食で支援/シダックス

さくらジャパンの選手にアスリート食を提供するシダックスコントラクトフードサービス
女子ホッケー日本代表チーム「さくらジャパン」は3月上旬から連携協定を結ぶ大田区内運動施設で強化合宿をスタートした。厳しいトレーニングで疲弊する選手を食事でサポートするのがシダックスコントラクトフードサービス(株)である。

3月12日に合宿施設を訪問すると、衛生管理に細心の注意を払いながら、約30名の選手・関係者に対して、昼食と夕食で同社の公認スポーツ栄養士が監修したアスリート食を提供していた。内藤夏紀選手は「おいしく、栄養バランスが良くて、公認スポーツ栄養士の方が献立を作ってくれるから安心感が違う」と大満足。アスリートを支える食サポートの姿を届ける。

※公認スポーツ栄養士とは、管理栄養士の資格を持ち、スポーツ現場で監督、コーチ、トレーナーや医・科学の各専門分野のスタッフと連携して、栄養面から専門的なサポートを行うスポーツ栄養のスペシャリスト。日本栄養士会と日本スポーツ協会の共同認定による資格で、2019年10月時点で認定者総数は全国でわずか374名(2019年10月現在)。

〈さくらジャパン、1年前に食事意識改善に取り組む〉
「うわ~おいしそう」「どっちにしようかな~」「食べたい」。15時頃、遅めの昼食をとりに選手が食堂にやってきた。昼のトレーニングを終え、一時の休息を食堂で過ごす。

当日の昼食メニューは、「柚子香る鶏塩うどん」と「五目野菜中華丼」、ヨーグルト、牛乳。「うどんは多めで、中華丼はごはんを少し減らしてください」「どっちも、量を少なめで」「うどんはお汁だけ」など、選手は自分の体調と相談しながら分量をリクエスト。食後、また練習に戻り18時30分には夕食が待っているため、たくさん摂ることもできないし、かと言って何も入れないわけにもいかない。「消化吸収がいいのはどっち?」など相談しながら、エネルギーと栄養を補給して次の練習に臨む。

「柚子香る鶏塩うどん」と「五目野菜中華丼」

「柚子香る鶏塩うどん」と「五目野菜中華丼」

「さくらジャパン」が食事に注力したのは1年前。きっかけは、日本ホッケー協会の強化本部副本部長を務める中村真理さんがチームスタッフに管理栄養士の加入を提案したことだった。「アスリートにとって食事は重要。私自身、選手の時にそれを実感した。選手自らが食を意識して体調をコントロールすればパフォーマンスも向上する」と中村さんは目的を語る。それから、選手は食事のバランスや栄養のことを考えながら食べるようになり、中には、朝、昼、夕の食事を写真に撮り、管理栄養士から栄養指導を受ける選手もいるそうだ。
 
〈シダックス・上原さん「おいしく作るのは当たり前」〉
食堂の提供メニューは、その協会チームスタッフの管理栄養士とシダックス栄養士会 スポーツ栄養部会に所属する栄養士・管理栄養士・公認スポーツ栄養士が連携して、作成・監修した。
 
同部会はリオ・オリンピックでの日本代表陸上選手やラグビー日本代表選手への食事提供など、国際的なスポーツイベントでアスリート食を提供した実績がある。食堂でメニューを提供するシダックスコントラクトフードサービス(株)の調理師、上原賢二さんは「おいしく作るのは当たり前。楽しいコミュニケーションで、厳しい練習から帰ってきた選手を少しでも食事でリラックスさせたい」と思いを語る。
 
公認スポーツ栄養士の丹田みちよさんは、メニューについて「炭水化物とたんぱく質が入ったうどんは塩味で、柚子の香りがしてあっさり食べやすい一品。中華丼はえび、豚肉、うずら、白菜など食材がたくさん入って、1品で栄養素をまんべんなく摂れる。あと、ヨーグルトと牛乳など乳製品でカルシウムをプラスしてけが予防にも」と紹介。「練習から帰ってきた選手に食事でサポートしたい」と話した。
 
聞けば、新型コロナウイルス感染症の流行により提供方法をガラリと変えたという。当初はバイキング形式で様々な料理を選手が選べるよう計画していたが、集団で食べるのはリスクが高いと判断して毎食のメニューを固定して提供。「新型コロナウイルス感染症の流行でいつも以上に念入りに衛生管理を徹底している。食前、食後に次亜塩素酸ナトリウムでテーブルを拭き、厨房内もアルコールスプレーをかけて、“菌をつけない、増やさない、やっつける”を徹底している」(上原さん)

シダックスコントラクトフードサービス 丹田みちよさんと上原賢二さん

シダックスコントラクトフードサービス 丹田みちよさんと上原賢二さん

〈内藤夏紀選手「公認スポーツ栄養士の方が作った献立だから安心感が違う」〉
食後、内藤夏紀選手と田中泉樹選手に話を聞くと、「毎食、違うものが出て飽きない。次は何が出てくるんだろうって楽しみになる」「ほんと、全部おいしい!」と笑顔で語ってくれた。合宿はホテル滞在が多く、昼食は弁当、夕食は外食で対応することもしばしば。疲れた体で食事を選ぶのも一苦労だという。
 
内藤選手は「温かくておいしいご飯がすぐに出てきて、とても嬉しい。栄養バランスが良くて、公認スポーツ栄養士の方が作った献立だから安心感が違う」と太鼓判を押す。内藤選手にこの1年のチームの食の変化を尋ねると「以前は、好きなものを好きなだけ食べていたが、今は違う。食事管理がチーム全体に浸透した。炭水化物とたんぱく質をしっかり摂るようになり、疲労回復につながっていると思う」と効果を語った。

女子ホッケー“さくらジャパン” 左=内藤夏紀選手、右=田中泉樹選手

女子ホッケー“さくらジャパン” 左=内藤夏紀選手、右=田中泉樹選手

シダックスグループは今後も、安心 ・安全でおいしく、栄養バランスのとれた食事提供で、アスリートの食を強力にサポートしていく考えだ。