業務用加熱調理機器メーカーのラショナル・ジャパンは10月21日、プレスカンファレンスを開催し、新製品の説明や調理実演、上半期の概況報告を行った。

ラショナルは、ドイツ・バイエルン州ランツブルクに本社を置く業務用加熱調理機器のパイオニアメーカー。1976年に世界で初めて、スチームを利用したコンベクションオーブン(以下、スチコン)を開発。これまでに100万台以上のスチコンを製造し、世界で50%以上のシェアを占めている。

同社は新製品として、5月に「iCombi Pro」、8月には「iVario Pro」を発売。今回のプレスカンファレンスでは約40種類のメニューの調理実演を実施。両製品を併用することで、すべての調理方法の9割をカバーすることができるという。

「iCombi Pro」は、ロースト・グリル・スチーム・フライ・ベイク・ポーチなど、あらゆる加熱調理に対応したスチコン。前モデルの「Self Cooking Center」と比較した場合、50%の生産性向上、10%の調理時間短縮、10%のエネルギー消費量削減を実現。
「iCombi Pro」での調理実演の様子

「iCombi Pro」を使った調理実演の様子

 
操作する人の調理の熟練度にかかわらず、誰でも均一に加熱調理ができることが特徴で、串ものなどもひっくり返すことなく両面を加熱でき、焼き加減も複数の段階から選択できる。
 
操作も複雑ではないため、導入しているスーパーマーケットや飲食店などでは、パート・アルバイトの多くの人が使いこなしているという。
 
洗浄については、一日の終わりに衛生状態を自動で判断し、汚れの程度を教えてくれる。それによってユーザーは、エコ洗浄か標準洗浄かを選択する。また、最短約12分の超高速洗浄や夜間洗浄も可能だ。
 
「iVario Pro」は、煮る・焼く・炒める・揚げる・茹でる・圧力調理などに対応した調理機器。前モデルの「Vario Cooking Center」と比較して接続負荷を軽減しつつも、炙り能力が最大20%向上した。圧力調理オプションにより、圧力をかけずに調理する場合と比較して最大35%の高速化を実現した。

「iVario Pro」での調理実演の様子

「iVario Pro」での調理実演の様子

 
最大4つのゾーンに分割して加熱調理できることが特徴。プレスカンファレンスでは左に餃子、右には手前からキノコ類・牛肉・魚を配置。それぞれ異なる温度帯・時間での同時調理を実演した。
 
ラショナル・ジャパンの赤井洋社長は、コロナウイルスによる販売状況への影響に関して、「業績は世界全体で見ると落ちているが、日本や韓国は比較的抑えられており、ほぼ横ばいで推移している」とした。
 
コロナ禍における日本での販売状況を業態別にみると、居酒屋などのカジュアル・ダイニングは横ばいで、現在は主にテイクアウト・デリバリーでの活用を提案している。また、ゴーストレストランなどへの提案も進めている。販売が伸長しているのは、病院などのヘルスケア、保育園、スーパーマーケットで、特にスーパーマーケットでは大きなシェアを占めているという。
 
グローバル市場でのスチコンの可能性として、現在世界の全厨房の75%が従来の機器・調理方法であることから、「400万以上の厨房にiCombi導入の可能性がある」とした。