総合サービス企業シダックスグループには、栄養士が自主的に運営する「シダックス栄養士会」があり、全国の各事業所で活躍する栄養士・管理栄養士が知見を共有し、課題解決に向けて切磋琢磨している。2021年3月6日にはシダックス栄養士会の30周年記念全国総会が開かれた。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)拡大防止の観点から初めてオンラインで開催され、全国から約700人が参加した。各支店・営業店・部会のリーダーらは栄養士の業務を通じた研究活動を報告。情報共有を通じて資質向上の機会とした。

シダックス栄養士会では、コロナ禍で様々な規制を余儀なくされた中でも、従来どおりの食事サービスや食育を継続しようと、『with コロナイベント』を全国各地の幼稚園や学校、社員食堂、介護施設、病院で開催している。総会では、その好事例コンテストが開かれ、応募全30の活動のうち、最優秀賞に「ご当地メニュー提供 モグちゃんと旅行気分」が選ばれた。

幼稚園や保育園ではコロナ感染拡大の不安から、遠足などの楽しいイベントが中止になっている。そこで、シダックスが運営を受託する「寺内さくらこども園店」(大阪府)では、九州の郷土料理メニューを給食で提供した。シダックスグループの食育キャラクターである「モグちゃん」が載った地図ポスターを掲示し、子どもの関心を高め旅行気分を演出。家庭でも同じ味を再現できるよう保護者にレシピを配布した。園の職員、保護者からは「他の県の料理もやって欲しい」と嬉しい声が寄せられ、続編として1月に実施した中部地方旅行も好評だったという。

郷土料理の提供で旅行気分を演出するこの取り組みは、そもそも「全国郷土料理うまいもの紀行」としてシダックスの受託先である病院・介護施設で始まった。企画を立ち上げから牽引し、取り組みの輪をグループ全体に拡げた人物がシダックスコントラクトフードサービスの九州・沖縄支店の阿潟濵 美香(あがたはま みか)さんである。

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阿潟濵さんはこの功績が高く評価され、長年、該当者がなかった石関賞を受賞した。この賞は、シダックス栄養士会の発起人でシダックスグループの栄養士の草分け的存在である故、石関ウメさんの志を引き継ぎ、栄養士会の活性化と発展に大いに貢献した人物に贈られる名誉ある賞だ。

阿潟濵さんは「入社当時、石関ウメさんのこれからの時代を見据えた言葉『栄養士が会社の礎となっていく』から栄養士会が発足したことを聞いた。入社14年目を迎え、石関賞を頂けることに驚きと喜びを感じている。今後もマザーフードの伝道師として自己研鑽を怠らず、若い栄養士と共に切磋琢磨し活動していきたい」と抱負を語った。

シダックス栄養士会の迎英子会長は「各地で開催してきた『with コロナイベント』はこれまでの常識や慣行を超え、新たな視点と工夫で、今だから、栄養士だから、できるイベントである。シダックスの武器として水平展開を行い、前進をしていこう。ウィズ・コロナ/アフターコロナ時代は、自由に考え、チャレンジすることができる千載一隅のチャンスである。ポジティブな発想で栄養士の感性・感覚を磨き、他社との差別化を図るサービスを提供し続けていきたい」と呼びかけた。

総評で、志太勤一栄養士会名誉会長は「石関さんと共にスタートさせたこの全国総会も今年で30回目という大きな節目を迎えた。これからも栄養士会という仕組みを使って、一人ひとりの能力を高めて、栄養士会、ひいてはシダックスのできることを増やし社会の健全化を目指してほしい。1人でできることは限られているが、固まりになれば大きな力になる。栄養士会を信じて欲しい。石関さんの言葉に『社会は厳しいのです。栄養士としての甘えがあったとしたら、それはここでさらりと捨て、厳しさに立ち向かい頑張っていきましょう』とある。重要なことは問題意識を持つことだ。自己の成長を最大の喜びとし、スキルや情報のノウハウを習得し、学び続けて欲しい。当事者意識と改革意欲を栄養士一人ひとりが持ち、目標に向かって日々研鑚努力し続けることが必要である」とエールをおくった。

シダックス栄養士会はコロナ禍以降も、栄養士の業務を通じた研究活動を継続し、給食の仕事の質的向上と食育に積極的に取り組む考えだ。