第8回「心に残る給食の思い出」作文コンクール表彰、“コロナ禍でも給食に寄せる熱い思いでいっぱい”/日本給食サービス協会

日本給食サービス協会「心に残る給食の思い出」作文コンクールのオンライン表彰式
日本給食サービス協会は12月11日、第8回「心に残る給食の思い出」作文コンクールのオンライン表彰式を大手町サンケイプラザで開催し、応募総数1,308作品から選ばれた10作品を表彰した。

作品はコロナ禍であっても子どもたちの給食に寄せる熱い思いでいっぱいだ。給食を通じて感じた友だちとの付き合い方や家族や友だちを思いやる気持ち、その学校独自の特色ある給食の話や思い出、調理員・栄養士・生産者などへの感謝の気持ちなどを見事に表現している。

文部科学大臣賞の作品「給食タイムトラベラー」は、転校するクラスメイトとの最後の給食とその場面を、忘れることのできない給食の思い出として感動的に綴った作品。作者の小学6年生の橘髙日鞠さんは、クラスメイトと食べたメニューが給食で出る度にあの日を思い出す。「私にとって、このメニューの給食は、三年生の時にもどれるタイムトラベルメニューだ。そして、やっぱりこのメニューはおいしい」とつづっている。

農林水産大臣賞に輝いた「こん立て表とにらめっこ」は、給食調理員のお母さんを通して給食調理の仕事の大変さに気付き、お母さんを気遣い、心から応援する思いが込められた作品。給食が家族のつながりを深める大きな役目を果たしていることに気付かせてくれる。

審査委員会委員長を務めた全国学校栄養士協議会の長島美保子会長は、「どの作品も思いがたくさんこもっていて、それぞれにいいなと思うところがあった」と述べ、調理員・栄養士・生産者との交流や感謝の心、給食を話題にした家族との語らいなど、様々な角度から給食を捉え表現している点を高く評価した。作文の中には、新型コロナウイルス感染症予防のため給食の時間の在り方が変わり、黙食といって、あえて黙って食べることが求められる中で、「給食についてしっかり考える時間になったという作文もみられた」と話した。

文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の三谷卓也戦略官は「作文は面白い話もあったが嬉しい作品もいくつかあった。例えば、アレルギーを持っている弟さんが、卵が入っていないおとうふブラウニーを通じて、みんなと同じ給食を食べられて嬉しいという作文があった。文部科学省では2015年、『学校給食における食物アレルギー対応指針』を作成した。その最初に明記しているのが、アレルギーを持つ児童・生徒にも学校給食を提供するために安全を最優先することだ。それから調理の方々をはじめ学校給食関係者の努力で実になり、子どもたちみんなの笑顔になっているのが嬉しかった」とアレルギー対応の取り組みの成果が出ていることを話した。

また、「新型コロナウイルス感染症をきっかけにいろいろな人が給食を支えていることに気付いたという作文も多かった。この2年間、みんなの給食のために様々な人たちが給食をより良いものにしようと頑張った。その2年間が、みんなに届いていることが作文を読んでわかった。それはとても嬉しかった」と喜びを語った。

〈西脇会長「作文は給食調理者の励みになる」〉
主催者である日本給食サービス協会の西脇司会長(日本ゼネラルフード社長)は「協会が作文コンクールを実施する狙いは、次代を担う子どもたちの成長や食育の大切さの他にもう一つある。それは、小学生の皆さんの作品を読む機会を得ることで、裏方として毎日給食の調理作業に携わっている調理員、栄養士さんたちの大きな励みになることだ」と意義を語り、「毎日の学校給食は、寒い日でも冷たい水で食材を洗い、暑い夏でも汗だくになりながら大きなガス台で炒め物や煮物を作っている、そんな調理員さんがたくさん働いて出来ている。その事実を思い出していただきたいと思いながら、この作文コンクールを実施している」と思いを語った。

作品は協会ホームページで読むことができる。

◆「日本給食サービス協会」作文コンクール入賞作品の公表