外食12社12月期、7社が増収増益

外食企業の2014年12月期決算が出揃った。12社中、増収増益企業は7社で、昨年と同数(昨年は11社中7社)。概ね好調に推移したのはファミリーレストランで、緩やかな景気回復基調を反映した客単価の上昇が好業績を導いた。

その一方、減収減益企業については2月の大雪、夏場の大雨などの天候不順に加え、食の安全に対する不信感の高まりや、円安に伴う原材料価格の高騰が響いた。消費増税以降、個人消費に足踏みが見られるなど、依然として厳しい外部環境がマイナス要因となった。

大手3社の業績は、明暗が別れた。FRを主力に展開するすかいらーくとロイヤルホールディングスは増収増益、日本マクドナルドHDは減収大幅減益となった。

昨年10月に再上場(東証一部)を果たしたすかいらーくは、「ガスト」などで高単価メニューが好調に推移したことが奏功し、増収増益を達成した。食材価格の高騰・円安をメニュー戦略で吸収できたことが、利益拡大の最大要因。カナダ産オマール海老や広島産牡蠣を使用した高単価メニューの投入が奏功し、客単価は前年比3・3%増、既存店売上高は同1・9%増となった。

主力の「ロイヤルホスト」に加え、「てんや」などの外食事業が好調に推移したロイヤルホールディングスは、外食事業トータルの既存店売上高も前年超え。成長エンジンに位置付ける天丼チェーン「てんや」の既存店売上高は35カ月連続で前年を上回っており、好業績をけん引した。

一方、日本マクドナルドホールディングスは、期限切れの鶏肉使用が発覚した上海福喜問題の影響により売上高、利益ともに前年を大幅に下回った。最終損失は、218億円の大幅赤字(前年同期純利益は51億円)。上海福喜問題は売上高の減少に加え、原材料の廃棄費用の発生など業績に対して多大な影響を与えた。利益に対する影響額は、約180億円のマイナス。問題が発生した7月以降、既存店売上高は2割近いマイナスが続いており大幅な客離れを招いた。既存店売上高、同客数はともに前年同期比11・2%減となった。

また異物混入問題の影響で1月度の既存店売上高が前年より4割近く下回ったことから、15年12月期の業績予想は現時点で、未発表。

フジオフードシステムは売上高、利益とも2ケタ増となった。主力の「まいどおおきに食堂」で、改装後の販促活動の一環として一部店舗にて半額セールなどを実施し好評だった。

アークランドサービスは、とんかつ「かつや」において11回のフェアメニューの投入と7回のキャンペーンを実施した結果、年間の既存店売上高前期比は、直営店1・5%増、FC店2・4%増と堅調に推移した。

レストラン・バーを中心に展開するダイナックは、期初予想は下回るも、3期連続の増収増益を達成した。ポイントカード「倶楽部ダイナック」による集客効果などによりレストラン・バーの既存店売上高、客数、客単価ともに前年を上回って推移した。

ペッパーフードサービスは、主力の「ペッパーランチ」に加え、新業態「いきなりステーキ」が好調。同業態は新規出店29店舗を達成した。