〈マニュアル作成・共有プラットフォーム「TeachmeBiz」を導入〉
すかいらーくホールディングス(東京都武蔵野市、谷真会長兼社長)は、スタディスト(東京都千代田区、鈴木悟史代表)のマニュアル作成・共有プラットフォーム「TeachmeBiz(ティーチミー・ビズ)」を「ガスト」全店舗(約1360店、8月2日現在)などに導入している。

導入開始は昨年9月。持続的な成長のため、IT投資による顧客の利便性向上と生産性の向上を推進する同社は、トレーニングツールについてもブラッシュアップを進め、店舗で働くクルー(パート・アルバイト従業員)の定着率アップと増加する外国人従業員の職場環境の整備につなげる。2019年まで毎年100店舗程度の新規出店を目指す同社の成長の糧に、ITを活用した店舗業務の効率化は欠かせない。

すかいらーくでは現在、正社員・クルー含め約10万人の従業員が働いており、そのうち卒業や家庭の事情などで毎年数万人が退職し、同人数を新たに採用している。テーブルレストランという事業の性質上、従業員は衛生管理や接客、調理など多岐にわたる業務を早期に習得する必要があり、総店舗数約3100店(8月2日現在)において品質の高いサービスを提供するためには、多くの時間を要するという。店舗オペレーションシステムを担当する山本敦史氏は、「Teachme Biz」導入の経緯を次のように説明する。
コーポレートサポート情報システム店舗オペレーションシステムリーダー 山本敦史氏(左)、人財本部教育・研修チームリーダー 織部始氏(右)

コーポレートサポート情報システム店舗オペレーションシステムリーダー 山本敦史氏(左)、人財本部教育・研修チームリーダー 織部始氏(右)

「テーブルレストランの特性上、主力の『ガスト』においては2カ月に1度、メニュー改訂があり、調理技術の習得には一定以上のスキルが必要となっている。マニュアルをもっとわかりやすく、初めての人でも簡単に作れるよう工夫を図るため調理工程の習得に導入したのが、『Teachme Biz』だ。従業員がスマートフォンなどの個人端末で自己学習できる仕組みも構築しており、調理工程における習得度アップと効率化を狙った」。紙から画像・動画へと刷新した新マニュアルは好評で、アンケート調査では9割の従業員が高い満足度を示しているという。店舗に新しい商品を導入する際のサポートツールとして活用し、メニュー改定時のマネジャー業務の負担削減、定着率の向上にもつながった。今年に入ってから「ジョナサン」「バーミヤン」といった主要ブランドへの導入も進め、現在、全ブランドが採用している。

動画を活用した「Teachme Biz」の導入は、現在約1800人強が在籍する外国人クルーの職場環境改善にも貢献している。外国人従業員のために、4カ国語対応も準備中で、昨年1年間で3割強増えるなど、今後増加が見込まれる外国人従業員の教育ツールの柱としても活用する。

動画マニュアルは外国人クルーにも好評

動画マニュアルは外国人クルーにも好評

〈基幹システムを7年ぶりに全面刷新、来店客の利便性向上と生産性向上の両立を図る〉
一方、同社は今年下期、店舗の基幹システムを7年ぶりに全面刷新する。注文を受注する際の端末の改善や、店舗における発注・在庫管理システムの自動化、多様化する支払い手段への対応を進め、来店客の利便性向上と生産性向上の両立を図るという。

また人材確保に向け厳しい外部環境が続く中、従業員への投資もこれまで以上に推し進めていく。人財本部の織部始氏は、「近年、クルー従業員の正社員化を積極的に進めている。新卒が7割、中途社員はほぼ100%がクルー出身者で、クルーとして働く中、職場環境に魅力を感じていただけている結果で、社員としての採用につながっている」と話す。

クルーから店舗限定で店長として正社員に昇格できる「マネージャートレーニングコース」を4年前から設置。年間約30人程度が同コースを修了して、クルーとして働いていた店舗で店長に昇格している。現場で働いていた実力と信頼のあるクルーが店長に昇格することで、店舗の統率力アップ、地域の活性化にもつながっているという。一方、働き方改革に向けては、子育てサポート企業として16年に厚労省の「くるみん」マークを、17年に仕事と介護の両立を推進する企業として同省の「トモニン」マークを取得し、多様な働き方が認められる職場環境の構築にも努めている。

定着率アップに向けたITを活用した店舗業務の効率化と、従業員への投資の両輪で、年間100店舗の確実な出店につなげる考えだ。

〈食品産業新聞 2018年8月2日付より〉