丸亀製麺、「大人のための社会科見学会」で“おいしさの秘密”を公開

「麺切り」の工程(左=麺匠の藤本智美氏)
トリドールジャパンが運営する丸亀製麺はこのほど、神田小川町店(東京都千代田区)で「大人のための社会科見学会」を開催した。社会科見学の第一人者として知られる小島健一氏の呼びかけで集まった一般参加者21人が、麺匠(めんしょう)・藤本智美氏の指導の下、ミキシングや圧延、麺切りといった丸亀製麺こだわりの店内製麺を体験した。同社が大人を対象に社会科見学を実施するのは初の試み。店内仕込みの製麺工程を公開し、参加者の大きな関心を集めた。

今回の企画は、先端科学研究所や土木工事現場など数々の「大人のための社会科見学会」を実施してきた小島氏が、非常に身近な存在でありながら、全国800を超える全ての店舗でおいしいうどんを提供し続けている丸亀製麺に興味を持ったことから実現したもの。飲食店の見学は小島氏にとっても初の企画となった。

冒頭あいさつにたった小島氏は、「国内800店舗、海外200店舗ある丸亀製麺では、全店舗で小麦粉からうどんを打っている。まだまだ知られていない店内製麺の事実を広く知って欲しいと今回の見学会の実施に至った」と話した。

体験した工程はミキシング、圧延、麺切り、茹で、洗い。丸亀製麺の麺の方向性を決める唯一の存在であり、麺職人の育成責任者でもある麺匠の藤本氏が実演を交えながら、製麺工程を説明した。国産小麦粉を「ミキシング」し、「圧延」工程で伸ばした生地を「麺切り」、それをすぐに大きな鍋で「茹で」、ゆであがった麺を「洗って」水で締める工程を体験。参加者からは、「正直、お店で作っていることは知らなかった」「手間ひまかけて作っている事実を初めて知った」といった声が上がった。

「大人のための社会科見学会」の今後の実施は予定されていないが、丸亀製麺では、子ども向けの体験教室を継続して実施している。

〈食品産業新聞 2019年2月28日号〉