マーケティング戦略を強化し、客数の落ち込みから再浮上を目指すのは、「丸亀製麺」だ。同業態を展開するトリドールホールディングスは去る6月25日、都内で会見を開き、マーケティングノウハウのライセンス供与カンパニーである“刀”との協業を発表した。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)復活の立役者である森岡毅氏率いる“刀”との協業により、「丸亀製麺」のV字回復へ向け、さらなる成長を狙う。

讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を中心に世界に1400店舗以上を展開する トリドールホールディングスは、2018年9月より刀と協業、刀の卓越したマーケティングを「丸亀製麺」に導入し、“原点回帰”をテーマに両社は様々な取り組みを行ってきた。

会見でトリドールホールディングスの粟田貴也社長兼CEOは、「“お客様に手づくり、できたてを召し上がっていただく”という創業時から変わらない想いで運営を行ってきたが、客数が前年割れを起こすようになった。この現状を変え成長していくために、“刀”との協業をお願いした」と語った。

刀の森岡CEOは、「丸亀製麺の哲学であり、“全店舗で粉から おいしいうどんを作り、食べていただきたい”という真摯なこだわりに感銘を受けた。うどんというコモディティ商品(一般化し、差別化の難しい商品)で、なおかつ外食という成熟マーケットにおいて丸亀製麺の業績を回復させることが出来れば、その他の成熟業界においても“マーケティングで、日本を元気に”という大義を果たせるのではないかと考えた」と話した。

刀では高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出す法則、マーケティング理論など、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化した“森岡メソッド”を駆使し、企業のブランド構築を実現している。

これまでの「丸亀製麺」との取り組みと現状の結果について森岡CEOは、「まず取り組んだのはブランド再設計。丸亀製麺のブランドが選ばれる確率をどう上げていくか、ドライバーの因数分解を徹底的に調査・検証・考査した。様々な取り組みをしているが、その一例を挙げると、ブランド戦略に基づいて、今年1月よりCMのクリエイティブなどの変更を行った。うどん市場において、外食が占める割合は10%程度。市場として大きな伸びしろがあり、“うどんを食べるなら丸亀製麺”と思ってもらう取り組みをしっかりやれば、丸亀製麺はもっと成長出来ると考えている」と話した。協業の成果については、既存店客数で4月、5月と2カ月連続で前年超えを達成、6月も前年を上回る実績で着地する見込みだとした。

粟田社長は、「(CMでも訴求している)“ここのうどんは、生きている”というフレーズに集約出来るとおり、丸亀製麺の原点に返ることが出来たことを非常に嬉しく思っている。成熟マーケットでもまだまだ成長で きるということを実証していきたい。そのためにも我々自身が本当においしいうどんをお客様に提案していけるよう、うどん作りに精進し、結果として多くのお客様に感動体験を届けていきたい」と強調した。

〈食品産業新聞 2019年7月1日号〉