ぐるなび「今年の一皿」2020年は“テイクアウトグルメ”、導入店舗の急増・需要増など市場拡大を背景に

ぐるなび総研・滝久雄社長とグルメリポーターの彦摩呂さん
ぐるなび総研は12月8日、今年の日本の世相を反映し象徴する食を発表する2020年「今年の一皿」に、「テイクアウトグルメ」が選ばれたことを明らかにした。

「今年の一皿」は、優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するために、その年の世相を反映し、象徴する食を発表するもの。主催はぐるなび総研と「今年の一皿」実行委員会。農林水産省・文化庁・国土交通省観光庁・日本政府観光局(JNTO)が後援を行う。 2014年に開始し、今回で7回目。

審査方法は、飲食店情報サイト「ぐるなび」の約50万店の掲載店舗、49,469店(2020年9月時点)の有料加盟店舗が発信する一次情報と、1,935万人(2020年10月時点)のぐるなび会員、月間5,600万人(2019年12月時点)のユニークユーザーの閲覧履歴や行動履歴などを掛け合わせて分析した、ビッグデータから抽出したワードをもとに、ぐるなび会員を対象としたアンケート、メディア関係者の審査を経て、「今年の一皿」実行委員会が承認・決定する。

選定条件は、「その年に流行または話題となったこと」「その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映していること」「食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があること」など。

同社は「テイクアウトグルメ」の選定理由として以下の3点を挙げている。

〈1〉新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、新たな収益源としてテイクアウトを導入する飲食店が急増した。ラーメンや高級料理などさまざまなジャンルのメニューが増え、麺と汁を分けた容器や高級感のある容器など包材にも工夫が見られた。販売方法でも、事前予約決済や店頭以外での購入など選択肢が広がり、テイクアウト市場が大きく進化した。

〈2〉生活様式が変化し在宅時間が増えるなかで、自宅でも手軽に飲食店の味を楽しめるテイクアウト需要が高まった。また外食の楽しさや飲食店の存在価値を再認識し、テイクアウトを通じて消費者が飲食店を支援する動きも見られた。

〈3〉今後も外食を楽しむ方法としてテイクアウト利用が継続し、新しい日本の食文化として定着する兆しがみられるーー。

12月8日に開催した2020年「今年の一皿」記者発表会で、ぐるなび総研代表取締役社長兼ぐるなび取締役会長・創業者の滝久雄氏は、「非常に厳しい環境の中で頑張っている飲食業界やその関係者の応援につながれば」とした。

また、2020年「今年の一皿」で「テイクアウトグルメ」の他にノミネートされたのは、「シャインマスカット」「代替肉」「ノンアルコールドリンク」だった。

なお、過去には2019年「タピオカ」、2018年「鯖(さば)」、2017年「鶏むね肉料理」、2016年「パクチー料理」、2015年「おにぎらず」、2014年「ジビエ料理」が選ばれている。