日本加工食品卸協会(日食協)関東支部が20日、都内ホテルで開催した定時総会で、食品の商品マスタDBセンターを運営するジャパン・インフォレックス(JII)の西田邦生社長(=写真)が「流通のメガトレンドと新たな標準化テーマ」と題した講演を行った。主に「新たな標準化テーマ」に関して、西田社長は要旨次のように述べた。

JII・西田社長=現在、(チェーンストアの)本部で企画し、大量仕入れ・大量販売するという本部と店舗の分業体制、1970年代以降続くチェーンストア理論が通用しない世の中となってきている。そうした中、POS情報やID-POS情報の定量分析のほかに、その購買の背景にある潜在的な動機を把握し、その動機に沿った消費者にとっての「価値」を創造するマーケティングが必要となる。つまり消費者の内面にある本質的ニーズをどうつかむかが重要になる。

これからの商品マスタにできることは、今までのように▽商品名▽商品企画▽物流情報--に加え、ITの進歩につれて領域が拡大してきた▽品質情報▽定性(コメント)情報--等を皆で共有して売場まで届け、新しい営業企画にプラスにする取組が必要だ。

この状況に対し、JIIとして次の3つの取り組みを進めている。

【JANが同一でありながら複数の商品登録がある商品の「名寄せ」】16年5月時点で35万点の重複JANデータがあったが、うち21万件(消化率60.4%)の名寄せを完了。「限定パッケージ等で、大手中堅メーカーに同一JANコードで複数商品登録が多い。ネット販売等の増加を踏まえ、JANコードをベースに商品を探す人・企業が増え、小売からの要請もある」ことから、JANコードで検索しやすい環境を整える。

【商品コメントの登録・活用推進】16年5月現在、メーカールートの商品データのうち67.4%に20文字以上の「商品コメント」(マスタの「商品特徴欄」に入力するもので、500文字まで登録可能。メーカーが伝えたい商品の定性情報)の登録が進んでいる。その活用方法を卸の営業企画部門と研究しており、活用度を上げようとしている。その活用結果をメーカーにフィードバックし、登録内容の充実を図る。また、市場調査会社大手のインテージと、SNSなどキュレーションサイトのキーワードによる商品タグ化の研究開発も行っている。

【PITSに準拠した品質系情報のデータベースを19年春めどに構築】品質系情報受け渡しはメーカー・卸の業務負担が大きく、標準化の最大のテーマである。第一ステップとしてFDB(ファイネットが運営していた食品の商品情報データベース。16年4月からJIIへ移管)メーカー270社のデータベース化を図る。中小卸や業務用ユーザーでもインターネットを通じ、安価で利用できる料金体系を予定する。このシステム構築までに、対象メーカーの品質系情報の精度アップと協力体制の確立を図る。

※PITS=商品情報授受標準化会議。2013年5月発足。①標準項目の検討②最適な情報流の検討③実行部会--を主な活動内容とし、メーカー17社、卸11社、小売業3社、賛同団体・企業12が参画。15年11月に標準項目123項目と規格書フォーマットを決定した。