日本冷凍食品協会は今年(1~12月)の冷食の国内生産量が160万tに達する見通しであることを発表した。過去最高だった前年を3%上回る水準だ。伊藤滋会長(マルハニチロ社長)は「今後も国内生産体制の増強投資は続く」として来年以降も同程度の拡大局面が続くとの予想を示している。同協会が公表している国内認定工場の検査数量の直近1~10月の数値を見ると、調理食品のなかで2桁増加しているものが2品目ある。「ぎょうざ」(21.4%増)と「米飯類」(10.1%増)だ。

米飯は重量ベースで圧倒的1位の品目、ぎょうざは「めん類」「コロッケ」に次ぐ4位。さらに言えば「めん類」は前年比8.6%増、「コロッケ」も6.0%増と2桁には届かなかったものの1桁後半の堅調な伸びを見せた。

協会の統計上、調理品は「その他」を含めて24に分類されているが、前年を上回ったのは3分の1に当たる8品目にとどまる。そのうち6品が生産数量トップ10に入る品目。冷凍食品の代表的な品目の底上げが、今年の業界の成長を支えたことは明白だ。需要の底上げに対応するため近年、冷食業界では大手メーカーを中心に国内で大口の設備投資案件が実施されてきた。

ニチレイフーズは14年3月に船橋第二工場を新設稼動させた。最新鋭の生産設備を導入し、完全自動化生産を追求しているが、この船橋第二工場にミニハンバーグなど家庭用主力商品の生産を移管することで、国内体制全体の増強・再編を進めた意義が大きかった。

15年1月には船橋工場に新技術を導入した「本格炒め炒飯」のラインを稼働させ、同工場をピラフ、焼おにぎりを含め、米飯専用工場に転換した。

ニチレイフーズと同様のダイナミックな生産体制の再編に取り組むのが、テーブルマークだ。17年~21年にかけて工場再編のために約160億円、さらにノンフロン化と建物老朽化(耐震化)費用として約190億円、計350億円規模の設備投資を行う。

テーブルマークはステープル戦略=冷凍うどん、パックごはん、冷凍パンを軸としたメーカーへの転換を図り、今期末5期連続の増益と、収益安定化に歩を進めてきた。同社は冷凍うどんの市場シェアが7割とも言われるトップメーカー。年間生産量は5億食を超える。自社工場だけでも香川に6工場、新潟に2工場を持ち、そのほかグループ工場もうどんの生産ラインを有する。冷凍食品の工場再編の起点となるのが、魚沼水の郷第2工場(新潟)だ。冷凍うどんの量産型工場となり、10年秋に稼働した、水の郷第1工場よりも大幅に自動化を進める。1ラインにつき6人配置していたのが、新工場では3人になる見通しだ。

来年3月に竣工する予定で、その後、この新工場を受け皿として、他の工場のうどん生産を一時移管することで、その工場を整備していくというプロセスを繰り返す。自社工場のほか、既存工場は例外なく再編の対象とする考えで、対象は16工場に及ぶという。

同社は今期、“冷凍麺GoGo戦略”を掲げて冷凍麺の店頭フェース拡大に取り組み、すでに今期、その成果もあらわれている。冷凍米飯市場の拡大のように、主要品目の底上げが市場を支える業界の流れは、今後も続きそうだ。

一方で同社川股篤博社長は「前処理の得意な工場、焼き物が得意な工場、完全自動化工場、人手と機械を組み合わせた工場――などキャラクターづけして、それぞれの技術を蓄積していきたい」という。市場底上げの先も見据えているようだ。

〈冷食日報2017年12月25日付より〉