味の素冷凍食品の吉峯英虎社長は4日、同本社で開いた2018年秋季新製品発表会で、開発の方向性と7月1日に実施した組織改革の趣旨について次のように説明した。

吉峯社長=事業の方向性は変わらない。一つは得意技を磨き大型商品を育てていくこと、当社ではギョーザ、チャーハン、去年は「ザ★シューマイ」があった。餃子であれば、冷凍餃子だけでなくチルドや手作りに勝る品質を実現して市場を育てていくこと。各社もその方向に動いている。(売場)領域を超えた品質を作っていくことがひとつの使命と考える。

もう一つは冷凍ならではの新しい提案を続けること。「おにぎり丸」であり「夜九時のひとり呑み」というおつまみシリーズだ。これらの提案で新しい市場を顕在化させることに取り組む。

この度、組織を変えた。生活者の買い場が変化しており、家庭用・業務用の境界線がなくなっている。この全体をとらえ統括的にマーケティングする形にしたいと考えた。国内統括事業部として下保(寛)がコントロールする。そこに属する開発も家庭用・業務用を一括して向井(育子)がコントロールする。一方で規模が大きくなると見えなくなる部分も出てくる。また買い場の変化に対して現場の強化が非常に大切になってくる。そこで支社制を採り、かなりの権限と責任を与えた。
下保寛常務執行役員

下保寛常務執行役員

〈今期6月に遅れ取り戻す、CVS惣菜が好調=下保常務 今秋は家庭用=主力に焦点・業務用=現場の課題解決型〉
マーケティング本部国内統括事業部長に就任した下保寛常務執行役員が事業概況について説明した。

今期4~6月は家庭用・業務用とも若干進捗が遅れている。「昨年4~5月のスタートが非常に好調だったこともあるが、5~6月からキャッチアップしてきている」状況だ。

家庭用市場自体は当期成長しているが、同社伸び率は市場を下回った。「去年はザ★シューマイ、ザ★チャーハンやおにぎり丸の発売が重なった」ため好調だった反動がある。

業務用市場は2%増と見るが、同社は前年並みの推移。6月以降は取り戻し「特にCVS向け惣菜が好調」だ。

7月以降の方針について、家庭用は「主力領域へのフォーカスを一層強めて、付加価値型の製品を提供していく」とした。具体的には今秋、主力であるギョーザ、唐揚げの思い切った改良とともに新製品を投入する。

ギョーザではモノだけでなくコトの仕掛け作りを行う。下保常務は「引き続き商品のおいしさに加え、世の中に注目され、盛りあがってもらえる“コト"の仕掛け作り」を行うと話し「広告だけでなく、店頭イベントやネットを活用し多面的に客との接点をつくっていくことで、販売につなげる」とした。サントリーやよしもととのコラボ企画も継続し「消費者により具体的な食シーンを想起してもらう訴求もしていきたい」との考えを示した。

業務用では「着実に伸長している」分野とする“ユーザーのオペレーション課題解決型"の製品を主軸にして、「強みである技術とお客様のオペレーションの深い理解を基にしてより深掘りしていきたい」とした。

具体的には経時耐性のある米飯、マルチ調理可能な鶏肉加工品、こだわりの原料を使ったカット済みケーキ――といった「これまで好評いただいている商品群を拡充する」。同時に「定番の強い製品をユーザー、生活者のニーズに合わせて進化させる」とした。

昨秋の新商品「カツうま!炒飯」を取り上げて下保常務は「保温ジャーで4時間保存してもフレッシュなおいしさを提供できるとして、外食のユーザーに好評だが、経時耐性だけでなく、惣菜のユーザーには常温保存した後にレンジで再加熱する使い方にも有効なことが分かってきた。既存の定番製品もそのような形で使用場面・お客様を増やしていく」と話した。

餃子については「家庭用と連動して、生活者に支持されるおいしさを追求した」。

〈冷食日報 2018年7月6日付より〉

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