日本水産大阪支社(大阪市北区)は近畿2府4県に加え、岡山県をカバーしている。営業メンバーは家庭用・業務用合わせて18人。前期(18年3月期)冷食の実績は、5.0%増で着地した。新藤哲也執行役員大阪支社長は商圏特性について、「関西は全社的に見ても非常に大きなマーケット。特徴的なのは『食』への感度が高く、価値と価格のバランスが重視される点だ。価値あるものはきちんと認められ、関西で成功した商品は全国でも良い結果につながることが多い」と話す。実際、同社の定番商品である「ほしいぶんだけ ちくわの磯辺揚げ」や「おべんとうに便利ひじきの煮つけ」などは大阪で火がつき、全国でのヒットにつながったという。

売り上げの60%を占めている家庭用冷食は、前期2.3%増となった。惣菜・おかずカテゴリーの「今日のおかず 若鶏の竜田揚げ」や「おうちおつまみ モッツァレラのチーズ揚げ」などが好調に推移した。また、市場で好調な米飯は「大きな大きな焼きおにぎり」が堅調なほか、「いきなり!ステーキ監修 ビーフガーリックピラフ」が定番商品として採用されつつあり、売り上げに貢献した。一方で弁当カテゴリーは苦戦。元々大阪は給食の実施率が全国より低く、弁当の構成比が高かったが、数年前に橋下徹前大阪市長が給食改革を実施して以降、少子化の影響もあり厳しい状態が続いている。そのため、「これまで弁当ニーズに対応するのが核だったが、今後は新たな食シーンに商品をどう対応させていくかが課題」(新藤執行役員)だという。今期の進捗は、計画3.6%増に対して順調に推移。重点施策として、おつまみ商品を集合陳列することで、売り上げアップを図っている。

業務用は市場を上回る9.0%増で着地。「関西のニーズを吸い上げて開発した商品が多数あり、それらの商品が売り上げを底上げした」という。近年の関西発の商品として、おやつ感覚で食べられるおつまみ商材「塩麹のスティックチキン(チキング)」や2種の豚肉を使用した「旨豚焼売」、ホテルバイキングで引き合いが強い「明太子 並切れ」などがあり、いずれの商品も現在は全国展開している。「業務用はまだまだ伸びる余地がある。既存の商品を既存のやり方で提案しても閉塞するだけ。新たな需要を感知して、関西発の商品開発を続けることが肝要」。今期の業務用は4.0%増を計画しており、5月末時点で順調に推移。今後は、「外食店で当社の強みである魚を使ったメニューを広げることが差別化ポイントとなる。将来を見据えた持続可能な形での水産品の供給が重要だ」と強調する。

支社の課題としては、「ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックに加え、大阪では万博やカジノ誘致の話もあり、イベントが多くひかえている。これらをどう食につなげていくか。また、海外マーケットにいかに食い込んでいけるかがポイントだ」と意気込む。

〈女性営業職の手本となる仕事を目指して〉
家庭用営業部冷凍食品課の大堀由香さんは入社9年目。ここ数年女性営業職の採用は増加傾向にあるものの、同支社の営業職18人のうち、女性は5人とまだまだ少数派だ。家庭と仕事の両立に苦労する点もあり、店頭の棚への陳列作業で仕事が遅くなった際などは、家族の協力で乗り切っている。

営業チームはメンバー間の距離が近く、課題に対してメンバー全員で向き合う一体感が強みだという。営業において重視しているのは、商談の際の雰囲気作りだ。得意先の考え方や問題点を、相手がストレスなく話せるよう心がけている。また、女性ならではの目線も重要だ。「関西はせっかちな方が多い。時間をかけずにパパッとひと手間加えて、女性の自分が欲しくなるような提案ができるよう努力している」という。今後は、「徐々に増えてきている女性社員のお手本となるような仕事をしていきたい」と目を輝かせる。

〈冷食日報 2018年7月19日付より〉