日東ベスト、冷食3.1%増421億円が貢献し18年前期売上高は1.7%増522億円に

日東ベスト・大沼一彦社長
〈25億円かけ山形工場と神町工業を増設、今期は3.3%増540億円めざす〉
日東ベストは25日、前期業績や今期状況の社長記者会見を千葉・船橋市の営業本部で開催した。大沼一彦社長は「前期売上高は前期比1.7%増の522億5,300万円となり増収減益となった。冷食では畜肉フライ品や袋入り畜肉調理品が増加し3.1%増の421億7,100万円となった。今期は更なる競争激化、原材料価格や物流費高騰、燃料・電力等上昇の厳しい環境の中、高品質実現を重要課題に販売力強化、お客様ニーズを捉えた商品開発、生産効率向上を進めるため、山形工場の全2階部分の増設、神町工場の第2工場増設を行う中、売上高は3.3%増の540億円、営業利益9.4%増、経常利益0.1%増をめざす」と述べ、次のように説明した。

2018年3月期の連結売上高は522億5,300万円で前期比1.7%増、営業利益は13億7,000万円で同11.6%減、経常利益は14億9,700万円で9.5%減、当期純利益は10億300万円で13.4%減となり、増収減益となった。要因は低価格志向の継続の他、競争激化や人手不足など厳しい環境の中、販売力の強化、お客様ニーズを捉えた商品開発、お客様への迅速な対応に努めた結果。

前期の分類別販売状況は、冷凍食品は畜肉フライ品や袋入り畜肉調理品が増加したことで前期比3.1%増の421億7,100万円となった。日配食品はコンビニ店舗の販売先が閉鎖されるなどのため5.2%減の72億6,700万円と大きく前年を下回った。缶詰部門は0.4%増の28億1,300万円となった。

また、販売分野別の売上状況(業務セクションの冷凍食品)では、「給食分野」では学校給食と病院・介護施設分野が伸びて、日配弁当以外は堅調だったことから前期比3%増に、惣菜分野は全般に商品導入が図られ4%増と伸長。外食分野は新規開拓等が奏功して2%増となった。

今期は、景気は回復傾向だが個人消費の動向が不透明で更なる競争激化が予想され、また原材料価格や物流費用の高騰、燃料・電力等の上昇が懸念される向かい風から環境は引き続き厳しい状況が続く。高度な品質の実現を重要課題として販売力強化、お客様ニーズを捉えた商品開発、生産効率の向上を進め、売上高540億円(前期比3.3%増)、営業利益15億円(9.4%増)、経常利益15億円(0,1%増)、当期純利益10億円(0.4%減)を見込む。

今期の設備投資では2つの大きな工場増設を手掛け約25億円を投入する。山形工場の山形第1工場の2階部分を全増設し、天童工場の焼菓子を移す。天童工場はスペースが狭く、非効率的な生産のため能力アップを行う。また、神町工場では今まで倉庫だった所を生産工場として神町第二工場を増設し、フレンズシリーズの生産体制を強化する。全体的に人手不足と働き方改革が進んでいるため、既存施設では狭く、流れがスムーズでないなど改善し効率化していく必要があり、フリーザー関係も進められるものは改善していく。

昨年は「フレンズ10周年記念キャンペーン」を展開し、お客様の認知度が上がり営業しやすくなり今回の新町工場の増設につながった。人手不足の厳しさについては、就職情報出版社のアンケート調査で山形県では入りたい企業のNo.1に、東北地区では11番目となったが、1年前に比べてひしひしと感じている。今回の設備投資もそこにつながる。

今期4月5月の状況は依然厳しく、冷食は予算並みだが目標達成には努力が必要。とくにコンビニ販売先の閉鎖等や日配弁当の減収が影響している。ベトナムの新事業はミニストップのコンビニ店におにぎりやサンドイッチを供給しており、相手の拡大次第という面があり、従業員の教育等に力を入れるが未だ冷食を生産できる状況にはない、内田淳会長は「今年は設立70周年の節目となる(創業では81年)。戦後、合同会社を脱退して独立するなど先輩方の苦労があって今日がある。また、6月26日の株主総会及び取締役会で塚田荘一郎が専務取締役営業本部長に昇任し、佐藤光義が常務取締役生産本部長に昇任、内田真帆子が取締役健康事業部長に新任したことを紹介する」と述べた。

なお70周年記念事業は従業員への慰労会として社内で開催する予定。

併せて秋冬新商品の試食会も行われた。

〈冷食日報 2018年7月26日付より〉