CVS(コンビニエンスストア)が夕・夜間の中食市場を取りにいこうとしている。ローソンの藤井均商品本部長は8月21日、都内で開催した商品説明会で、「品揃え、販促において、現在CVSのコアでもある朝・昼の市場を守るとともに、SM(食品スーパー)の代替需要を取り込む夕・夜間を強化する」という方針を示した。「経産省の商業統計によれば、まだ小売業におけるCVSのシェアは伸長しているものの8.2%に留まっており、まだまだ少ない。他業態から取り込む余地は充分にある」という。

そうした中で、夕食のおかずの品揃えを強化すべく、ファストフード(FF)、日配、デリカ、冷凍食品を強化するとしている。

冷凍食品については、成長カテゴリーとして商品を拡充。同社によれば、CVSの冷凍食品は、17年度に10年度比325.5%と3倍以上に市場が拡大。また、市販冷食のカテゴリー別では、市場合計で米飯が10年度比148%、惣菜・おかずが同141%と特に伸長しているという。

そうした中で、同社では冷凍食品で個食・即食メニューを拡充。取組み内容としては、〈1〉おつまみの新提案〈2〉タイアップで売場の話題性〈3〉主食メニューの育成――の3つの施策を行う。

〈1〉では、「SM利用主婦」「シニア」をターゲットに、ひとり飲みに合わせた個食サイズのおつまみを拡充。PB「ローソンセレクト」から、「プルコギ」「牛カルビ焼き」「スパイシー手羽中」「焼鳥炭火焼」といった商品を発売する。

〈2〉では「CVSコア男性」をターゲットに、「麺屋武蔵」とタイアップした「ニチレイ 麺屋武蔵 焼おにぎり」や、長年同社の冷食売場で販売してきた「ナガラホルモン鍋」とタイアップした「キンレイ ホルモンうどん」という、同社オリジナルのタイアップ商品を投入する。

〈3〉では、「有職女性」をターゲットに、トレー入り簡便商品を拡充する。また、パッケージをスリム化して陳列効率を高める取組みも実施。検証中だが、現在リーチインケースで4SKU/段で陳列しているところ、スリムパック化で6SKU/段に棚効率を向上させる。

SMやドラッグストアといった量販店の冷凍食品売場では、「200円の壁があり、なかなか高価格帯の商品が成功しない」(メーカー)という声があるが、CVSの冷凍食品売場では、298円、398円というプライスでも、デリカと比較した場合に割安感があり、量販店の冷食売場では実現が難しかった品質の高い商品が数多く登場している。また、有名店とのタイアップ商品も、即席麺などで多くの実績があり、それを付加価値として強気のプライス設定も可能だ。そしてもちろん、廃棄ロスや機会ロスの低減にも、冷凍食品は大いに貢献する。数年前、あるCVS店舗オーナーから「冷食は単価が安いから、あまり積極的に取扱いたくない」というボヤキを聞いたことがあったが、現在は、より品質に見合った価格帯の商品も増えているように思う。

一方のSMの側ではバイヤー筋から「食卓惣菜の品揃えを増やしているが、価格帯が厳しくなかなか定着しない」という声を聞く。CVSの冷凍食品が定着することで消費者の価格に対する目線が変われば、SMの冷食売場でも、付加価値のある高価格商品が見直されることに繋がる可能性もある。そういう意味でも、CVSの冷食にはますます注目したいところだ。

〈冷食日報 2018年9月3日付より〉