キンレイ 「お水がいらない」、18年4~8月35%増と好調 今秋は「尾道ラーメン」発売

中央=キンレイ 和田博行社長、左右=ミス尾道 竹田依芙桂さん・岡本百恵さん
〈尾道観光協会推薦「お水がいらない 尾道ラーメン」〉
キンレイは、18年秋冬の量販店向け冷食の新商品として「お水がいらない 尾道ラーメン」(488g)、「同 海老天うどん」(499g)を8月20日に発売した(既報)。13日、東京・新橋の東京本部で新商品発表会を開催した。

営業概況について説明した青木雅一取締役営業副本部長によれば、4~8月の冷凍麺市場は前年比4%増、中でも、ちゃんぽん12%増、ラーメン10%増と推計されるという。そうした中、同社では量販店向け「お水がいらない」シリーズが好調。主軸のラーメンが堅調な中で、うどんが40%増、ちゃんぽんは17年秋発売の「お水がいらない 長崎ちゃんぽん発祥の店 四海樓」が貢献し2倍以上の130%増と大きく伸長し、量販店合計で前年比35%増、一昨年比では90%増と大きく伸長しているという。今期の全社売上は前年比11%増の124億円を計画しているが、「このままいけば充分クリアできる」と自信を見せた。

今秋発売した「お水がいらない 尾道ラーメン」は、一般社団法人 尾道観光協会が掲げる尾道ラーメンの定義▽瀬戸内海の小魚だしベースの濁らない鶏ガラスープ、シンプルな醤油ダレ▽平打ち麺▽青ネギ、チャーシュー、メンマ▽豚の背脂ミンチを浮かべる――に沿って作られ、同協会の推薦も受けた一品。

自社で国産・但馬味鶏の胴ガラから抽出した鶏がらスープに、瀬戸内産いりこの小魚だしを加え、大粒の豚背脂ミンチ、国産豚モモの大判巻チャーシューを加えた。使用する平打ち麺は、小麦の風味と平打ちながらある程度中芯感を感じられ、スープによく絡むよう設計したという。

パッケージは「尾道観光協会推薦」のマークが入るとともに、背景には尾道の風景写真を使用。裏面では、尾道の観光PR情報も掲載している。発表会には「ミス尾道」の竹田依芙桂さん、岡本百恵さんも駆けつけた。

〈商品が当たるWebキャンペーンも実施〉
なお、新商品の発売を記念して新商品・リニューアル品を含む10品のうち4食セットが毎週100人、総勢1,000人に当たる、新商品発売記念キャンペーンを9月13日から、10週連続で実施。キンレイファンサイト(https://monipla.com/kinrei)で必要事項を登録し、簡単なアンケート等に回答することで参加できる。

〈「味の探求プロジェクト」始動、専門店を超える専門店へ〉
発表会で和田博行社長が、同社で取り組むプロジェクトについて紹介した。今春は「理念浸透プロジェクト」を実施。企業規模がかつてより大きくなる中、あらためて企業理念等を社員全員に考えてもらおうという取り組みで、和田社長は「全員の共感を得て、今後さらに規模が拡大しても、きちんと取り組める考え方の土台ができた」と語る。

さらに、企業としてのビジョンである「専門店を超える専門店になる」ことに現在以上の迫るため、「味の探求プロジェクト」を始動し、素材や専門店の味・手法を探求する取り組みを開始した。

和田社長は「(理念浸透プロジェクトで)考え方の基礎は固まったが、実力はどうか。ライバルは冷凍食品に限らず食品すべてで、専門店も進化する中、我々の製品は40年前から基本技術としては大きく変わっていない。創業当初は1日2,000食だったが、現在は毎時3万食を作り、製造規模が何百倍にもなっている。今も真剣に取り組んでいるが、量産の中で技術を完全に活かしているか、5年後、10年後を考えると危惧している。味の探求プロジェクトでは、専門店のものづくりを徹底的に、技術的に解明し、我々の仕様に落とし込んで製品に繋げようというもの。手始めに原料・製法に徹底的にこだわってラーメンを試作したが、まだ60点の出来。2年後をめどに、100点と言えるものを作り、専門店とも戦えるようなものにしたい」など述べた。

〈冷食日報 2018年9月18日付より〉