2018年、関西地域は6月の大阪府北部地震、西日本「平成30年7月豪雨」、9月の台風21号――と災害が続いた。冷食工場も多数存在し、工場建屋や設備の損傷は軽微でも、従業員の生活拠点の復旧をまって、直ちに通常稼動できない状況も見られた。本紙など10社が加盟する冷凍食品記者クラブは24~25日、関西地区の冷食工場2拠点を取材した。ニチレイフーズ関西工場(大阪府高槻市)は1969年に冷食工場として設立。同社では船橋工場(千葉)に次いで古い工場だ。当初はシューマイ、メンチカツを製造していたが、現在は家庭用「焼おにぎり10個入」「お弁当にGood!からあげチキン」や業務用「グレイビーハンバーグ」などを生産する。

生産能力は日産約120t。代表的な商品である焼おにぎりは日産20t(42.6万個)、からあげチキンは14t(11.2万パック)、グレイビーハンバーグは39t(32.3万個)――。昨年8月に、それまで船橋工場で製造していた「焼おにぎり10個入」を移管、同時に醤油ダレをぬって焼いてを表裏2回ずつ繰り返す新製法を導入した。

「新香ばし製法」と「ふんわり仕上げ」と呼び、〈1〉たれの香ばし感=たれを焼いた際の香ばしい香り〈2〉照りツヤ感〈3〉外はこんがり、中はふっくら=米の粒感があり、ふっくらほぐれる――仕上がりが特徴だ。リニューアル後に販売数量が伸びているという。今回の取材ではこの焼おにぎりラインを視察した。

米の粒感とほぐれやすさは、炊飯の味付け方法を改良した。従来は炊き上がった米に調味液を混ぜていたが、炊飯中にほぐしながら味付けすることで米へのダメージを少なくした。炊飯の色は黄色掛かった白色。下味はしっかりつきながらも、焼おにぎりを割ったときの表面の醤油の色と中身の白さ――が同製品のコンセプトのひとつになっている。

成型機は6台設置、そこから1ラインに集めて焼成機へ流す。非常に柔らかく握っているためまず素焼きを行い、型崩れを防ぐ。たれの浸み込み過ぎを防ぐ効果もある。次いで醤油たれを噴霧してバーナーで焼く――を2回繰り返し、連続的にひっくり返して同じ加工を行う。手作りの再現ともいえる、ぬって焼くの繰り返しによって、表面の照りつやと香ばしさを出している。

トンネルフリーザーで急速凍結した後、包装工程は低温室で行う。トレーなし製品であることから、製品同士の摩擦でとけやすい醤油ダレの表面の損傷を防ぐためだ。コンピュータースケールからタテピロー包装機で自動包装するが、トレーがないため袋を平らにならす工程を通すのが特徴だ。箱詰めの手前でもローラーで袋を平らにならし、パラレルロボットで自動的に箱詰めを行う。箱詰めされた製品は敷地内のニチレイ・ロジスティクス関西高槻物流センターに直結したコンベアを使って、倉庫に送り込まれる。コンベアで保管倉庫に直結しているのは同社でも関西工場だけだ。

〈焼おにぎりで進めた自動化、さらに〉
焼おにぎりは船橋からの移管新ラインとして、当初から省人化をテーマとした。関西工場開発グループ志賀健吉グループリーダーは「直感的には(船橋のときの)半分以下になっている」という。「その分、品質にお金をかけられるようになり、売上げアップにつながり好循環にある」と胸を張る。
関西工場開発グループ志賀健吉グループリーダー

関西工場開発グループ志賀健吉グループリーダー

一方でおにぎりラインの人員はごく少数だが、工場全体では従業員は約500人(2直稼動)。昨年からベトナム人実習生も雇用している。今後、自動化をさらに進める方針だ。
 
大阪府北部地震の際には1日操業を停止した。機械のずれの修正やラインの点検を行い翌日には稼働を開始、ただし焼おにぎりは復旧に2日かかったという。
 
台風では終業時間を切り上げて対応したほか、特段被害はなかった。

【工場概要】

▽住所:大阪府高槻市東上牧1-2-5

▽敷地:37,669平方メートル

▽建物:16,779平方メートル

▽FSSC22000(18年取得)、ISO14001(01年~)
 
〈冷食日報 2018年10月29日付より〉