日本加工食品卸協会(日食協)は9日、関東支部の「経営実務研修会」の中で、食品卸業界の標準システムとして開発を進めている「トラック入荷受付・予約システム」を、来年1月末を目途に本格導入したい考えを表した。導入により、入荷トラックの待機時間を30%削減することを目標としている。スマートフォン向けに機能の開発を進めていたが、ガラケー利用者も多かったため、双方で利用できるシステムを目指す。

同システムは、商品調達の入荷トラックドライバーの待機時間を減らすことで、サプライチェーン全体の物流効率の向上を図る。現場ではトラックの渋滞がまん延しているほか、入荷記録がアナログ管理となっているため、荷下ろしや待機時間などの実態把握ができていない。

日食協は、会員向けに共通のインターフェースを開発することで、入荷予約時間などの入力で適切に車両をコントロールし、入荷時の待機時間削減などにつなげたい考えだ。9月末から伊藤忠商事や三菱食品、加藤産業の3社でトライアル活用を実施し、10月には企業数を増やしたという。日食協内の物流効率化専門部会などでも導入ポリシーやガイドラインの詳細などの議論を進めている。

同日、都内で開かれた同研修会では、佐々木淳一支部長(日本アクセス社長)や奥山則康専務理事がそれぞれ挨拶(詳細下記)したほか、日本経済新聞社編集局調査部の白鳥和生次長が「流通と消費を読み解くキーワード」をテーマに講演を実施した。総花的な提案が通用しなくなりつつあるため、白鳥氏は「提案や取り組みのニーズに合った、提案の進化が求められている」と語った。
 
〈佐々木支部長の挨拶〉

政府は来年10月に消費税を10%に引き上げる意思を表明している。増税による消費の冷え込みを和らげるための政策として、キャッシュレスペイメントの促進なども検討されており、流通にも影響があると思われる。同時導入の軽減税率への対応があるが、円滑対応を行わなくてはならない。複数税率は欠点もあり混乱もあると思うが、慣れるしかない。小売業は軽減税率の為に違う計算を行うために2台のレジがいるなどコストアップも懸念される。一方、物流業界の課題も多く、食品では労働環境是正のためにトラックの待機時間削減が求められる。そのために、業界標準のトラック入荷受付・予約システムの開発し、会員への周知徹底と普及を目指す。
 
〈奥山専務理事の挨拶〉

今年は豪雪に始まり豪雨猛暑台風など、大きな災害に見舞われ経済にも大きな影響が出ている。佐々木支部長から軽減税率と増税についての話があったが、日本では初めてのことで、クイズのような複雑さだ。税制はシンプルイズベストがいいと思うが、欠点があっても慣れるしかないと思う。ただ、複数税率を受け入れるにあたり、企業の準備状況も懸念がある。商工会議所が9月に公表したアンケートで、8割の企業がまだ取り掛かっていない状態で、準備が必要かわかってない会社は、3割いた。国も補助制度など作っているが、利用は低調な現状だ。準備には半年から8月かかるという話もあるので、来年10月開始と考えると、デッドラインはそう遠くはない。また、2023年には「適格請求書(インボイス)」の保存を仕入税額控除の要件とする、インボイス制度の導入が予定されている。ビジネス慣行のターニングポイントを迎えると思う。なお、8日に『消費税軽減税率対応 企業間取引の手引き』の第2版をホームページ上にアップした。これを活用して準備を進めてもらえたら。

〈冷食日報 2018年11月14日付より〉