〈チキン加工品や野菜惣菜「ベジコーディ」が2割増〉
マルハニチロ・大西宏昭執行役員業務用食品ユニット長兼業務用食品部部長
=マルハニチロの18年度上期における業務用食品ユニットの売上高は介護食、CVS 等の取組みが下支えしほぼ前年並の584億円だった。一方、営業利益は水産原料、畜産原料等の価格高騰に加え、自社工場製品の販売が低調だったことなどから7億円減の4億円と苦戦ぎみだった。利益面では、主要原料のみで約6億円のコストアップがあったことが影響している。

大西業務用食品ユニット長によれば、7月中ごろまでは売上・収支とも好調だったが、7月末以降、天候条件、とりわけ9月の台風・地震の影響で外食チャネルなど悪化したという。「直接的な災害被害だけでなく、消費マインドに影響したのではないか」と見ているという。ただ「チェーン外食はメニューに採用されるかどうかで流れが決まる」面もある。なお、外食でインバウンド需要向けとして商品群等は39%増と大きく伸長している。量販惣菜は上期微減も足元では持ち直し傾向。給食は、生鮮野菜が高騰する中で、メニューの食材単価は変わらないため、安いものに移行する傾向があり、魚惣菜関連が良くないという。

上期のカテゴリー別(マルハニチロ単体)では、麺類が1%減。「焼そば類などは夏のプールサイドや祭り等イベント需要も大きく、天候条件に左右された面もある」という。米飯は家庭用冷凍米飯が伸長したあおりで、惣菜向けが不調で4%減だった。

イカ加工品は原料高騰による値上げがあり、数量はマイナスながら金額では前年並となった。また、骨なし切身は、原料相場に応じて値上げしているものもあって金額ベースで6%増とプラス推移。

一方、チキン加工品は、毎シーズン2品ほど新商品を投入するなど注力しており、新商品の寄与もあって24%増。「魚価の変動が大きく使えなくなるものが出つつある中、鶏肉相場は比較的安定しており、1つの柱になるようにしたい」という。中国生産の野菜惣菜は「ベジコーディ」シリーズを中心に惣菜・弁当向けが好調で2割増。介護食は上期後半に完全調理品がプラスオンとなったこともあり、10%増と伸長。ヤヨイサンフーズも5~6%増で、グループでも8%増と伸びた。

〈10月好調で下期は巻き返しの目処、商品はボイリングパック拡充〉
下期に向けて、「会社全体として通期業績計画は据え置いており、業務用食品ユニットとしても期初計画があり、上期の遅れをできるだけ取り戻したい。上期は失速したが、下期はCVS や外食、中食で採用が決まっている大型商品もあり、メドがついてきている。10月は日柄、配送タイミングを含めても好調なスタートを切っている」という。

利益面では、イカ製品など原料が高騰したものは値上げをしており、それが浸透する効果が遅れて下期以降に出てくるほか、売上げ増に伴う自社工場の稼働率向上による効果による改善も見込む。

値上げについては、「他社とは少し構造が異なり、輸入品で加工度が低く、原料比率の高い商品――イカ唐揚げや骨なし切身など――が多いため、そうした商品では相場に連動した価格変更は今までもしばしば行っている。そうでない商品、調理麺類や米飯では、家庭用と違い、グラム数の調整ができないため、今の所は稼働率を上げることなどでなんとか乗り切りたい」とした。

商品開発の方針としては、得意先調理現場の人手不足対策として、使い勝手のよいボイリングパック商品を拡充し、販売を強化。従来、ボイリングパックはひじき煮のような和風のものが多かったが、中華、洋風などラインアップを拡げるとともに、「菌数管理が難しいが、より簡便性の高い自然解凍品も増やしている」という。今春の新商品でも自然解凍可能な「便利なカポナータ」「便利なチリビーンズ」と、洋風メニューを拡充しているという。ボイリングパックの仕向先としては、インバウンドとも重ね合わせ、ホテルの朝食バイキングを重視する。

今秋の新商品では、えびフライでアッパークラスとして天然ブラウンえび使用でレストラン品質の「ごちそう厨房 天然えびフライ」、廉価版としてバナメイえび使用の「Today'sDeli えびフライ」と二極化に対応。生産効率の面でもアッパークラスと価格訴求商品に絞り、アイテム数の整理統合を進めたいとした。

〈冷食日報 2018年11月30日付より〉