〈物流費・手数料増などで減益も通期は増益見通し〉
日本ハム冷凍食品は12月14日、東京・大崎の本社で年末記者会見を開催し、鶴田道太社長らが足元の業績等について説明した。鶴田社長によれば、18年度上期(4~9月)の家庭用冷食売上高は前年比100%だが、利益面では物流費や販売手数料の増加等があり減益。通期では、売上高は前年並~プラスを目指すとともに、利益面では販売手数料の見直しなど既に手当しており、増益を見通す。値上げについては、「現時点では考えていない」とした。

上期売上高のカテゴリー別内訳は、弁当品が3%減。今春発売の「お弁当フライドチキン チキチキボーン味」が好調だが、前年春にお弁当向けに発売した前身の「若鶏からあげ チキチキボーン味」が大きく売れており、それをカバーするに至らなかった。一方、「エビチリ」「チンジャオロース」等、中華の小分けカップシリーズは好調に推移している。小分けカップシリーズは、一部量販店で弁当品ではなく、中華の棚で小容量のおかずとして提案することで、高齢者等への実績も出てきているという。

「中華の鉄人 陳建一」シリーズで展開する中華おかずは6%減。最大ボリュームの「国産豚の四川焼売」は前年を上回り、今秋リニューアルした「小籠包」はリニューアル後2ケタ増と好調だが、「四川餃子」やワンクックキットの「黒酢酢豚」「回鍋肉」といった商品を終売したことが響いた。

ただし、同シリーズの縮小は意図しておらず、中華おかずカテゴリーは引き続き注力する方針。

惣菜類は4%増。「若鶏ももからあげ280g」中心に、食卓からあげ類がけん引した。PB 留型類は前年並の100%。商品改廃で喪失した部分もあったが、新商品でカバーすることができた。

上期の利益面では、物流費が2ケタ増となったほか、将来を見据え今春に営業マンを1割以上増やしたこと、販売手数料の増加などがあり減益となったが、既に上期末までに経費面での見直しを進めており、通期では増益見込みだとした。値上げについては原料、物流費上昇などあり「したいのはやまやまだが、現時点では考えていない」とした。

一方、足元の家庭用冷食市場について「11月~12月ここまで、あまり良くないと流通各社からも聞く。確固たる理由は掴めていないが、少し心配だ」とした。
 
〈新ジャンル開拓と既存品磨きで商品開発力を強化/鶴田社長〉

今春の新商品では、「チキチキボーン味炒飯」は評価を受けるも、高く掲げた目標には届かず、リニューアルしながらしっかり育成していく方針。「お弁当フライドチキン チキチキボーン味」、小分けカップ入「豚肉野菜巻き」は、安定感があるが配荷をもっと高める必要があるという評価。

今秋の新商品では、素材分野へのチャレンジ商品「もう切ってますよ!短冊ベーコン」は、流通の評価が高く、当初の意図通り凍菜売場などへの配荷も進んでいるが、消費者の認知にはもう少し努力が必要とした。

「今夜は家飲み!」シリーズで投入した「炭火やきとり」「炭火砂肝焼き」は“炭火焼き"への評価が高く、一部CVS でも採用されているが、おつまみ用途で冷食を使ってもらうための認知度向上が課題だという。

来年度に向けた課題・抱負として鶴田社長は商品開発力の強化を挙げた。「新しいジャンルを開拓するとともに、既存品ももっと磨かねばならないと痛烈に感じている」「これまで以上に、プロダクトアウトからマーケットインの開発を進め、グループインタビューや各種調査を深めている。流通も巻き込みながらニーズを探り、良い商品を作りたい」など述べた。

なお、同社市販冷食全体の売れ筋商品は▽中華の鉄人 陳建一 四川焼売▽黒豚やわらかひとくちかつ▽エビチリ(小分けカップ)▽若鶏ももからあげ280g▽お肉で巻いたチーズ――の順。今年の新商品での売れ筋は▽お弁当フライドチキンチキチキボーン味▽豚肉野菜巻き(小分けカップ)▽チキチキボーン味炒飯――の順だという。

〈冷食日報 2018年12月18日付より〉