〈ピザは上期健闘も下期苦戦〉
明治の冷凍食品事業は18年度上期、7インチピザをはじめとした終売の影響で減収となった。主力のレンジ2枚ピザ、3個グラタン・ドリアは堅調に推移。特にグラタン・ドリアは2桁増と前下期からの好調を維持している。10~11月の市況が伸び悩んでいることから予断を許さない状況だが、主力商品群は冬の需要期を迎えるため提案を強めている。

河原恒調理食品営業部長は上期の概況について次のように述べている。「調理食品部門は冷食・チルド・常温のトータルで目標の最低限はクリアした。そのうち常温は順調に目標をクリア、チルドは不調だ。冷食は若干不調だが想定した最低限の目標はクリアしたと考えている」。
明治・河原恒調理食品営業部長

明治・河原恒調理食品営業部長

冷食の中ではグラタン・ドリアが目標を上回る伸びを見せた。主力の3個入りが好調だ。秋の新商品「香るひととき」グラタン・ドリアはレンジ調理できる本格グラタンという考え方で発売した。首都圏中心に限定的な配荷だが、配荷店舗の販売状況は順調だという。リゾットは「目標に届いていない」。初年度にテレビ番組による宣伝効果で販売が大きく伸びたが「この時は売れすぎたと思った方がいい」として「喫食頻度が低いメニューなので急がず、技術的に差別化できる市場にしたい」と話した。
 
ピザは主力の「レンジピッツァ&ピッツァ2枚」は上期健闘したが、下期に入り伸び悩んでいる。ピザ業界全体が厳しい環境となっており、PB商品の競合も強まっていることから「市販用ピザ市場は非常に苦戦している」と述べた。レンジ2枚では今冬も期間限定パッケージを12月上旬~1月上旬まで約1カ月間出荷する。
 
商品を絞り込んだことで不採算商品がなくなり利益改善に向かっている。一方で原料・資材や物流コストは上昇しているため、原料調達から受注・出荷までコスト削減の取り組みをさらに進める考えだが、「内部努力にも限界はある」と話した。同社ではアイスクリームの値上げを発表したが、冷食については「いろいろな意味で検討はしている」と述べるにとどめた。
 
〈来秋以降の成長エンジンは冷食、柔軟な新ラインが稼動=河原部長〉
明治の河原部長は次年度について、「調理食品部門全体として夏場はカレーを中心に全体をカバーし、秋以降の成長エンジンは冷凍食品に期待する」とした。来年秋に冷食製造の茨城工場(茨城県小美玉市)の整備が完了することから、「これまでの縮小均衡から、来年度は飛躍的な拡大を目指していく」と意気込んだ。来秋に向けた「新しいチャレンジを準備している」という。茨城工場で切り替えるラインはこれまで、ピザ専用で人手をかけずに単品を集中生産する設計だったため、融通が利かなかった。新ラインではマーケットに合わせて幅広いカテゴリーの商品を作れるフレキシブルなラインを構築する。「条件を2点クリアすれば何でも作れる」という。
 
新ラインの考え方として「他のメーカーは同一メニューにおいて、いわば生産技術競争をしている。それに対して当社は発酵や乳化、調合の技術といったソフトは充実しているのが特長」だとして、ハードの開発競争とは異なる視点から、ラインを設計したという。ただし同時に省人化もしていると付言した。その時々のマーケティングに合わせてラインを手直しすれば新しい商品が作れる――という特長を生かすため「本社のマーケティング力が求められてくる」とした。「いずれは驚くような商品が出てくると思う」と期待もかけている。
 
〈冷食日報 2018年12月25日付より〉