ニチレイフーズ 袋米飯を改良して10%値上げ、新商品は「厚切りベーコンと彩り野菜のピラフ」/2019春季新商品

ニチレイフーズ「厚切りベーコンと彩り野菜のピラフ」
〈「特から」は新製法導入、3度揚げでカラッと〉
ニチレイフーズは11日、同本社(東京都中央区)で2019年春季新商品記者発表会を開いた。家庭用冷食では「特から」に新製法を導入する。袋米飯は主要5品を改良し、それに伴い10%値上げする。業務用では外食向け「グレイビーハンバーグ」に個包装真空パック品を投入、高齢者施設向けにはボイルパックで、サクッとした食感に仕上がるコロッケを提案する。「そのまま使える」冷凍野菜には初のベトナム商材としてオクラ製品を投入する。当季は家庭用冷食が新商品10品、リニューアル18品、業務用が冷食で新商品32品、常温で4品、リニューアル4品――合計68品をそろえた。発売日は家庭用が3月1日、業務用は3月1日または4月1日となる。

家庭用のテーマは引き続き「力強いカテゴリー政策の推進」と「新規需要創造への挑戦」。伸長カテゴリーであるチキンにおいて、発売約1年半でNo.1商品となった「特から」を改良する。新製法「三度揚げ」を導入し、余熱を利用することで肉の旨味を閉じ込めて、衣をカラッと仕上げた。手間暇をかけた製法で、総揚げ時間が減少したことで吸油率は20%減少した。製造するスラポンニチレイフーズ(タイ)に特から専用ラインを敷いた。

チキンの新商品として「手羽から」(210g)を発売する。手羽中を食べやすいように骨が1本になるように半分にカットした骨付きのから揚げ。おかずにもおつまみにも合うように甘辛醤油ダレとピリ辛胡椒で仕上げた。米飯でもカテゴリーNo.1の「本格炒め炒飯」を今春も改良する。仕上げの“鍋肌しょうゆ”の香りを付加した。また「具材たっぷり五目炒飯」「えびピラフ」「チキンライス」「サイコロステーキピラフ」も具材の増量や味付けの改良を行う。以上の5品の出荷価格をリニューアルに合わせて10%値上げする。なおそのほかの商品で値上げは行わない。

袋米飯では女性需要の開拓を狙った新商品「厚切りベーコンと彩り野菜のピラフ」(430g)を発売。ドライトマトやオリーブ、もち麦を使用して女性にアピールする。

新規需要創造を目指した、「切れてる!サラダチキン」は従来の350gから250gに減らしてトライアル購買を誘う。改良する「チキンライス」では購入者の6割がオムライスに利用していることから、調理素材としてのプロモーションを強める。カゴメとの共同販促も行う予定だ。

〈業務用に真空パックのグレイビー、施設向けに「ボイルでサクッとコロッケ」〉
ニチレイフーズは業務用では「“おいしい”はもっと進化する」と「For All Customers」を開発コンセプトに掲げた。前者として定番メニューのハンバーグとコロッケを提案する。17年秋に再発売したグレイビーハンバーグの真空タイプ「RUグレイビーハンバーグ」を新発売する。レストラン向け。両面高温焼き装置「ダブルベルトグリル」と複数温度で蒸し焼きする「マルチスチーム製法」に加え、真空パックとボイル調理によるダメージを解消するために最適な「塩練工程」と独自の「ジューシーキープ製法」の2つの技術を加えて、焼き立てのようなほぐれ感とジューシー感を再現した。80g、110g、130g、160gの4規格とデミグラスソース入り(140g)の合計5品をそろえた。

「RUグレイビーハンバーグ」

「RUグレイビーハンバーグ」

惣菜向けコロッケの新商品「北海道産ほくほくじゃがいものコロッケ」は、衣率30%の手作りレベルの薄く軽い衣と、ジャガイモの固形感と風味が特長。牛肉入り、野菜、肉じゃが、かぼちゃの4品をそろえた。
 
コロッケ類は高齢者施設向けにも新提案する。「ボイルでサクッとコロッケ」は独自製法である「衣革命」を採用することで、ボイルパックの湯せん調理によって揚げたてのようなサクッとした、歯切れの良いコロッケが提供できるのが特長。
 
高齢者施設では自家調理や委託給食から、完成食宅配にシフトする施設が増加している。そこでは完全調理済みパック食材をボイル調理しているが、揚げ物は衣がやわらかくなるなどの不満があったという。衣革命は中具の水分が衣に移行するのを防ぐ同社独自の技術で、これを施設向け商品に導入した。「ボイルでサクッと コロッケ(牛肉入り)」「同 クリームコロッケ(かに入り)」を各5個入り、3個入りの2規格発売する。
 
各業態向けの新商品も多数そろえた。惣菜向けに「ほっとするおかず」シリーズ6品、外食向けに「ちょい飲みスペシャリテ」、自然解凍惣菜の「Quick&Smart Made」の各シリーズに新アイテムをそれぞれ投入。「そのまま使える」冷凍野菜には「オクラホール(ベトナム産)」「きざみオクラ(ベトナム産)」の2品を投入。ベトナム商品は新規だが、今後も産地開拓への取り組みに注力する考えだ。
 
〈冷食日報 2019年1月15日付より〉