キンレイ「沖縄懐石 赤坂潭亭 沖縄風そば」、和食の“引き算”の考え方でだしにこだわり

キンレイ 和田博行社長(左)、「沖縄懐石 赤坂潭亭」田中直樹料理長(右)
〈ミシュラン7年連続1つ星「赤坂潭亭」が監修〉
キンレイは量販店向けの市販冷食「お水がいらない」シリーズから「沖縄懐石 赤坂潭亭 沖縄風そば」と「ラーメン横綱監修 辛まぜそば」の2品を2月20日から発売する。22日、東京・新橋の東京本部で、和田博行社長らが出席し、新商品発表会を開催した。

「沖縄懐石 赤坂潭亭 沖縄風そば」(468g)は、『ミシュランガイド東京』に12年~18年の7年連続で「1つ星」として掲載された「沖縄懐石 赤坂潭亭」が監修した沖縄風そば。発表会には同店の田中直樹料理長も登場し、開発のポイントなどを説明した。商品特長は、昆布と鰹から丁寧にとった雑味のない出汁に、豚の旨味が溶け込む味わい深いスープに、つるつるとのど越しの良い平打ち麺を合わせた。隠し味は泡盛とラードで、豚の旨味を引き立てるとともに、深みのある味わいに仕上げた。具材は炙り三枚肉、焼かまぼこ、青ねぎを盛り付ける。

開発を担当した商品開発部の古濱亮輔氏によれば、鰹だしをとる際の温度は、田中料理長の指導もあり通常より低温の75℃を採用。鰹だしを強調しすぎず、豚との相乗効果を狙ったものだという。また、豚の味をより際立てるため、田中料理長の指導で泡盛を使い、特に旨味を引き立てることができたという。古濱氏は「エキスを足すなどの足し算ではなく、素材そのままのおいしさを引き出す和食の引き算の考え方を教えてもらい活かすことができた」と言う。和田社長は「沖縄そばは以前から流通の要望があり、沖縄や東京近郊の店を訪ねたが、私の中で腹落ちするものがなかった。そうした中、赤坂潭亭のものは目から鱗で、こんなものを作れるのかと感じた。当社内で行う“味探求プロジェクト”の中でも“だし”についていろいろ研究しているが、今回の開発で和食の引き算の考え方がよく分かった」など述べた。

〈汁なしなのに「お水がいらない」“最も辛い”「辛まぜそば」〉
「ラーメン横綱監修 辛まぜそば」(355g)は、シリーズ第1弾商品同様、京都発祥の人気ラーメン店「ラーメン横綱」が監修し、昨秋、店舗で提供された期間限定メニューを基に商品化した。いわゆる“汁なし麺”だが、たれを100cc前後(他の商品は250~300cc 程度)含んでおり、同シリーズの特長でもあるスープ・麺・具材の「三層構造」を保つ一方、シリーズで初めて、電子レンジ調理とした。たれの量が多いこともあり、店舗同様、最後に白飯を入れて食べる「追い飯」も提案する。

中味は、「横綱」らしい豚骨ベーススープに、ラード・ニンニク・唐辛子を使用した辛味と、「横綱」店舗名物のにんにく唐がらし「ニントン」を再現して旨味を実現。アクセントとしてサバ・イワシの混合粉末、フライドオニオンの風味と甘さ・コク、しそフレーバーによるさわやかなシソの風味を加えた。麺はスープによく絡む平打ち麺、具材はもやし、フライドオニオン、メンマ、ミンチ、青ねぎおよび別添のきざみのりが付く。

開発背景を説明した商品企画部の福田暢雄マネージャーによれば、冷凍具付き汁なし麺市場は17年度、12年度比52%増と拡大。さらに辛系具付き麺市場は17年度に12年度比倍以上の111%増と大きく拡大しているほか、、18年度上期の冷凍ラーメン売れ筋ランキング(ちゃんぽん、弁当除く)でも、上位は定番商品が占める一方、14位までで見ると6品が汁なし・辛系商品が入る注目カテゴリーだという。和田社長は「(現在進めている)営業のプレゼンで、各社の辛い商品でも最も辛いと評判だ。“汁なし”だが“お水がいらない”と言うと難しいが、下部にストレートのタレが入っている三層構造で、(電子レンジの)ワンオペレーションを可能にした」など述べた。

〈今期売上高10%増124億円見込み、「お水がいらない」倍増目指す=和田社長〉
発表会であいさつした和田社長は今期の業績にふれ、売上高は前年比10%増124億円となる見込みだという。また、量販店向け「お水がいらない」シリーズは年間2,000万食を突破見込みだが、「まだ物足りず、4,000万食を目指したい」「全国の食品スーパーでの当社のフェイスはまだまだで、今の2倍行っても不思議ではない」と高い目標を掲げた。

〈冷食日報 2019年1月29日付〉