冷凍食品で個食・簡便性の高い商品ニーズは高まっている。コンビニ大手3社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)もそれに応えた商品をプライベートブランド(PB)から投入し、着実に販売を伸ばしている。また、冷凍食品売り場も広げつつある。

かつて、コンビニの冷凍食品は需要の大きくない商品だった。スーパーと比べて品ぞろえや価格で競争できないなどの要因があった。しかし、今はPB から独自性の強い商品を投入し、支持を広げている。保存できる期間が長いため「食品ロスを減らせるのでは」という期待感もある。

最近は、有職女性の増加や高齢者の来店増加に伴い、個食対応を強める傾向にある。中でも、セブンイレブンが昨年11月から一部店舗で販売しているカップ入りの冷食「セブンプレミアム 炒め油香るチャーハン」と「セブンプレミアム バター香る海老ピラフ」は、袋チャーハンの約2倍の売り上げとなっている。店頭の業務用レンジ(1,500ワット)にも対応しており、「店頭温めの実現で新しい食シーンも提案している」(同社商品担当者)と話す。

ファミリーマートでも年内に個食対応の新商品を検討している。ローソンも即食性をより高める方針で、包装を変えた商品展開も視野に入れている。

また、商品展開についても各社それぞれの特長が見られる。

セブンイレブンは「セブンプレミアム すみれチャーハン」「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」など有名専門店監修のメニューが好調に推移している。来店者の中には同じ専門店のカップラーメンと冷凍食品を同時購入するなどの相乗効果もあるという。「すみれチャーハン」の発売後4週間における1店舗当たりの1日平均販売個数は2.1個で、既存チャーハン商品の4倍にあたる。「蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」は、発売後4週間の1店舗当たり1日平均販売個数は3.7個だった。ファミリーマートは、PBのお母さん食堂の販売が順調に推移し、2018年の冷凍食品カテゴリーは前年比約10%増となった。惣菜系などで不足していた商品群を補ったほか、セールの効果もあり売り上げを伸ばしている。平均顧客単価も約580円から1,000円以上に伸びている。

同社は「100%PB化がゴールではない」(商品・物流・品質管理本部 加工食品・飲料部チルド飲料・冷食グループ 小松正人マネジャー)とし、味の素の「ザ★チャーハン」で、スーパーで販売している600gの商品より小さめの300gの商品を先行して発売した。また、親会社の伊藤忠商事が取り扱うフルーツブランド「ドール」から発売した冷凍フルーツは、想定を超える売り上げを記録したという。今後は夏場の需要拡大を想定した取り組みも検討する。お母さん食堂からもエビチリやピラフなどの新商品を投入する予定だ。

ローソンは、上期(3~8月)の冷凍食品販売が前年同期比25%増となった。下期(9~2月)についても昨年を上回る実績を見込む。PB 商品の数も50SKUから80SKUにまで拡充し、売り上げにつなげている。最も売れている商品は108円(税込)のチャーハンで、米飯類や麺類、おつまみ系なども堅調に推移している。

また、ローソンでは「メインは即食性の高い商品だが、それだけでは限界も来るかもしれない」(商品本部 デリカ・FF商品部 シニアマーチャンダイザー 山崎敦史氏)との考えから、スーパーなど他の競合がいない一部店舗で、買い置き需要に対応した商品も実験的に取り扱っている。主に弁当のおかずとしてのコロッケやハンバーグ、冷凍の肉などをそろえる。現在、ナチュラルローソンブランドから展開する商品で、低糖質や食塩相当量を明記するなど、健康面に配慮した商品も展開する。3月からはローソン傘下の高級スーパー「成城石井」の冷凍食品5品を展開する。ちまきや中華まんなどすべて中華系で、化学調味料は不使用だ。売り場も拡大傾向にある。ある冷凍ケースメーカーの担当者は「ここ数年で引き合いは確実に増えてきている」と話す。セブンイレブンは売り場で新レイアウトを導入し冷食販売を強めている。実験店では冷食やチルド商品などの売り上げが、日販で1万5,000円伸びた(18年4月発表)という。

ローソンはリーチインの棚を1本から3本に増やすなどして売り場での視認性を高めた。ファミリーマートも一部店舗で什器を増やすことも検討する。一部で実験を進めており、「(増えつつある)家で晩酌をたしなむ人への提案に広げられるなど、飛躍的に伸ばせるのでは」(小松正人マネジャー)と期待を寄せる。

〈冷食日報 2019年3月6日付〉