「冷凍食品99周年」広報展開、シニアとプレ・シニアへの訴求を強化/冷食協総会

「冷凍食品99周年」ロゴマーク
〈HACCP対応を重点化、営業許可制度の見直しも注視〉
日本冷凍食品協会は5月22日、パレスホテル東京(東京都千代田区)で通常総会を開いた。木村均専務理事が今年度の事業計画について説明した。広報事業では今年が冷食産業の始まりとされる1920年から99周年にあたることから、「冷凍食品99周年」を訴求ポイントの一つとする。訴求対象としてシニアとプレ・シニア(55~64歳を想定)の比重を高める方針だ。品質・技術事業としてはHACCP 対応を重点化する。関連して品質・衛生管理に関しては非会員への対応も行う。HACCP 以外にも食品衛生法関連で制度改正が予定される、容器包装などポジティブリスト化、営業許可の見直しなどにも適時対応していくとした。

今年度の事業計画は基本的に前年度の枠組みに沿った形とした。

広報事業ではキャッチコピー「ココロにおいしい、冷凍食品」に加え、「冷凍食品99周年」を併用して展開する。1920年に北海道森町に日産10tの水産物を凍結する能力をもつ、日本で初めての本格的な冷蔵倉庫が建設されたことから、この年が日本の冷凍食品事業の始まりとされる。今年はそこから99年目にあたる。次の100周年に先駆けて、今年から「冷凍食品99周年」ロゴマークを活用しながら広報していく。

広報の訴求対象は、未利用者が多い男性と子育て世代に対する取り組みを継続するとともに、需要拡大が見込まれるシニア、その後継となるプレ・シニアへの比重を高める。

10月18日「冷凍食品の日」の消費者向けPRイベントは今年は10月15日に開催する。そこでもプレ・シニア参加者のSNS による拡散を促す。

協会の消費者向けサイト「冷食ONLINE」でもシニア、プレ・シニアを狙った記事を定期的に掲載する計画。またレシピページでは介護食レシピやアスリート食レシピとして開発メニューを発信する。

メディア展開として特に地方において、テレビやラジオ、新聞など系列メディアによる複合的な露出を図る。

業務用関係者向けPRとしては、学校給食関係者への啓発に引き続き注力するほか、医療・介護関係では新たに、管理栄養士など専門家によるセミナーを実施する。

啓蒙講習会としては、調理師学校など学生を対象にした講習会のほか、消費者を対象に、新たに生協と連携した講習会も検討する。

衛生管理講習会は非会員にも門戸開く品質・技術事業ではHACCP 制度化に伴い昨年12月に作成した、冷食業界向けの手引書を活用して、HACCP 対応を重点化する。HACCP で必要となる、衛生管理計画の作成に係る講習会のほか、関連した品質・衛生管理に係る講習会には、会員以外の冷食事業者にも有料参加を認める。

行政の制度改定については、営業許可制度の見直しが焦点の一つとなる。業種分類として冷凍食品製造業を新設し、HACCP に基づく衛生管理を行う製造施設については、米飯やデザートなど分野の異なる製品を製造するのに追加の許可が不要である「統合型」の営業許可が制度化される見通しだ。6月末に政省令として公布される運び。

今年度は協会の創立50周年記念事業も計画されている。7月5日には記念式典、記念講演会および祝賀会を開催する。

会員数452社 18年は加入8、退会22役員改選期ではないが、役員社内の人事異動に伴って次の通り新任役員が決まった。▽前川製作所 稲葉稔和▽テーブルマーク香川雅司▽味の素 黒崎正吉▽ニチレイフーズ竹永雅彦▽日東ベスト塚田荘一郎▽日本冷蔵倉庫協会(予定)土屋知省▽マルハニチロ半澤貞彦▽日本製粉宮田精久(以上、名簿順敬称略)。

会員の異動状況についても説明した。18年度は加入8社、退会22社で3月末時点の会員数は452社となった。新規加入は正会員として北海道フーズ(北海道)、キユーピータマゴ(東京)、雪国まいたけ(新潟)――、準会員として森永食研(大分)、味の大和路(奈良)、なかしま(富山)、北燦食品(北海道)、タカノフーズ(茨城)――が加入した。まら新年度に入り、準会員として平林産業(長野)、賛助会員としてパロマ(愛知)が加入した。

〈冷食日報 2019年5月24日付〉