日本生協連の冷食売上が拡大、宅配は大容量商品など順調 乳幼児向けブランド「きらきらステップ」は若年層に支持

子どもが舌でつぶして食べやすい「やわらかいミニうどん」(コープ商品)
「組合員の想いを“かたち”に」したコープ商品で長年支持を得ている日本生活協同組合連合会(日本生協連)。店舗での冷凍食品の販売も順調に伸ばす中で、宅配では店舗よりも細かな需要に応えられる商品をそろえるなどして販売を拡大している。

2017年3月に発売した、子育て世帯を応援するブランド「きらきらステップ」も冷凍食品としては数少ない乳幼児向けの商品として、若年層からの支持も得ている。今年は18年度に引き続き健康をテーマにした商品を訴求する。

2018年における同会の水産を除く冷凍食品全体の売り上げは、前年比4.5%増となった。カテゴリー別では、畜産は3.8%増、米飯などの調理系は3.5%増、冷凍野菜は8.2%増、アイスは0.9%増だった。

店舗の売り上げは前年比で4%増、宅配は同4.6%増で、店舗での販売も実績を上げ始めている。価格は「プライスラインは店舗のほうが低めに設定している」(長門哲也・商品本部冷凍食品部長)という。一方の宅配は、店舗にない細かな商品も提案できることが特長だ。カット野菜各種やワンプレートの食事セット、冷凍パンなどラインアップは幅広い。また、持ち運びが大変な大容量商品も売れ行きが良いという。「地元の生協に密着した商品が多い」点も強みとなっている。

冷凍食品は女性の社会進出など社会環境の変化により、「組合員の中でも簡便性へのニーズは高まっており、追い風」(長門部長)が吹いている。技術革新により味も良くなっており、「ニーズと共に質も高まっている」と話す。

同会の商品開発は「ふだんのくらしに貢献する商品」を基本の考えとしている。メーカーとも密なやり取りを行うとともに、組合員に開発中の商品を試食してもらい、商品化の際に役立てている。「リアルな声を反映できる。単なるおいしさや安さだけでない、プラスアルファの価値ある商品がなければ支持されにくい」という。

調理系では2017年から展開している「きらきらステップ」の売り上げが計画を上回っている。「ここまで組合員の支持をいただけるとは想定していなかった」と振り返る。商品としては3歳未満を想定しているため、利用の幅は決して大きくない。そこで、今後は新たにきらきらステップよりも上の年齢を想定した商品も検討する。「2019年度中の発売に向け、開発を進めている」。他にもミールキットを提案して簡便需要にも応える。

こうした商品を投入した背景を「将来のコアとなる会員さんを作っていきたい」と話す。現在の組合員の平均年齢は57歳だ。若年層からの支持を得ることで、今後にもつなげる。

また、ヘルシーコープという新たな取り組みを18年度から開始した。健康サポート食品の開発やレシピ提案を通じて、健康な食生活を応援する。またエシカル消費対応商品も拡大していく。

〈冷食日報 2019年5月30日付〉