――前期(19年3月期)の事業概況について

18年度の売上高は660億円で前期比5%増となった。増収分の半分は中国の上海日生食品物流有限公司が新たに連結対象となったことが寄与した。生鮮野菜事業も売上高5割増と伸長。海外輸出も伸びている。

売上総利益率は価格改定と商品集約を進めたこともあり0.7ポイント上昇し19.8%となったが、営業利益は物流コストがかさみ48.0%減と落ち込んだ。

自社センター最大のユーザーを外部倉庫に移管し、変動費化した影響で、一時的に物流費が増加した。事業基盤の再構築を図り、経営の安定化につなげるのがその目的だ。水曜休配や商品集約などコスト削減施策も打ったが、吸収には至らなかった。

物流に関してはこの間、庫内業務の内製化と拠点の統廃合を進めてきた。内製化はこの2年で戸田、横浜、藤沢、大阪天保山、名古屋稲沢の5センターで切り替えた。統廃合については大阪の2拠点を1つに集約、昨年10月には美女木センター(埼玉)を閉鎖した。今年4月に名古屋のセンターを移転し機能を高めている。大口ユーザーの外部移管を含め、この新体制でより具体的に実行するフェーズに入った。納入先店舗のインストアシェアを高めながら、センター毎に収益性管理を徹底する。

――輸出や海外事業が業績に貢献している

海外輸出の売上高はグループ全体で10.6億円、前期比8%増と伸びている。水産仲卸子会社の旭水産が中心だ。水産品の輸出規模を順調に拡大している。またニュージーランドのキスコフーズ・インターナショナルもフォンドヴォーなどをシンガポールや香港などに輸出している。中東への輸出も手掛けているところだ。輸出に関しては当面、50億円を目指す。中国の卸売事業について、上海は昨年も10%程度伸びている。成都の久華世(成都)商貿は連結対象ではないが、やはり10%強成長している。

中心顧客は日系レストラン。接待需要が減少する一方で、中間層の拡大によってカフェなどが増えている。マーケットに合った商品を販売していきたい。

上海から武漢、重慶、成都まで揚子江に沿って物流経路がつながっている。一方、中国でも人件費、物流費が上昇している。物流改善など一旦、経費率を引き下げる見直しを行い、次の飛躍に備える時期に来ている。

――今期の計画について

今期売上高は695億円と5.3%増、営業利益は3億円を見込む。人手不足とあらゆるコストの増加を乗り越えることが最大の課題だ。最重要ポイントが物流になる。首都圏といっても広く、物流効率を上げるために、エリアとターゲットはまだまだ絞り込む必要がある。

4月から業務用卸売団体の日本外食流通サービス協会(JFSA)に加盟した。会員には30代から40代の若い経営者が増えている。各地域のオーナーが思いや課題を共有しながら横の連携をもって荒波を越えていくことが大事だ。労働集約型の事業を経営する上で、エリアを狭めて顔と名前が一致する範囲でしっかり仕事をしていくことがこれからの時代には適しているのではないかと考えている。

中食・惣菜などに小回りの利く業務用卸が役立てる場面も増えている。JFSA会員もそういった取り組みをしているが、当社も最近、惣菜店の一括取引を始めるなど、スーパーからの問い合わせも増えている。働き方改革などで食の提供シーンが変わってきており、首都圏では今後、デリバリーも進化・発展していくとみている。これら有望な市場を開拓していきたい。

〈冷食日報 2019年6月18日付〉