ファンズエーピー第14回会員総会 共同購買は4%増59億円、第15期は65億円を目指す

ファンズエーピー 志太勤一社長
〈冷凍品は8.6%増で34億円弱、凍菜は3.4%減、常温は1.9%減〉
食事サービスを提供する給食企業が食材の共同購買事業を行うファンズエーピー(株)(通称「ファンズ」、志太勤一社長=シダックス社長)は6月19日、「第14回会員総会」を日本青年館ホテルで開催した。共同購買の取扱額は対前年比4%増(2億1,000万円増)59億3,400万円となり、増収減益となった。今期は全会員74社の購買量増と取引先メーカー等の価格や新商品開発への協力を通じて65億円を目指すとした。

総会には45社、94名が出席した。志太社長は「目標の60億はわずかに達成できなかったが前年より2億円強の増収となり、共同購買機構は伸展した。食材高騰や物流高騰などコスト高に対し、一致団結してメーカーや商社様と有利に価格交渉を進めてきた結果だ。人手不足は悪化し、人件費問題で大きく影響を受けるが、安定供給とコストダウンを進めるためには会員皆様の購買力の増加が必要。ファンズは今年で14年目、東日本地区で32社、中部地区で13社、西日本地区で29社の計74社が集まり、食品メーカー・商社の36社で取扱数も415品目になった」とあいさつした。

決算報告は事務局の藤井薫氏より行われた。ファンズエーピーの第14期売上高は59億3,400万円・前年比4%増。そのうち常温品が17億5,000万円・同1.9%減(3,300万円減)に対して、冷凍品は33億9,300万円・同8.6%増(2億6,800万円増)、冷凍野菜は7億7,000万円・同3.4%減(2,700万円減)となった。

常温品が前年割れになったのは、合わせ調味料等の使用の増加や、手作りから加工品・半調理品に移行した結果からと分析。冷凍品は肉の切り身が11億円に、魚の切り身は17億円に増加した。

地区別では、東日本地区が1.8%増32億6,400万円、中部地区は3.8%減7億5,700万円、西日本地区では11%増18億8,800万円、他となり、特に西日本地区では全てのカテゴリーで前年を上回ったと報告された。

また、豚肉鶏肉、魚の切り身、凍菜の現況や見通しについて説明し、厳しい環境にも安価で安全で安定供給する努力を継続中であると報告。特に凍菜については、インゲンは例年並み、きぬさやは減少、スナップエンドウは雨が多く減少し、アスパラガスは順調に推移、ごぼうは高値で推移すると見通しを述べ、中国以外としてミャンマーでも里芋・オクラ・インゲンも輸入し、またEUからもカリフラワーやピーマンなど多くの提案オファーが来ていると報告した。

新商品として冷凍麺を紹介。やまひろとシマダヤの2社で16品に取組み、のど越しや硬さなど若干異なっても、価格的には非常に安価のために会員への検討をと呼びかけた。今後、半調理品や加工品を多くしていくと述べ、厳しい環境には納品時間の撤廃や配送回数の減少など様々必要になると会員への協力を依頼した。

減益については会員各社への配当など還元が理由と説明し、今期は65億円を目指すとした。志太社長は「幹事6社の仕入れ責任者は毎月1回、対策会議を開催し、食材状況の情報を共有して価格設定を検討している、既存商品の価格改善も行い、メーカーへの対応策として使用量を保証することで強力な力で有利な交渉を行い、複数のメーカーを入札させるなど、1流メーカーの商品を最も安い価格で仕入れている。更に指定センターまでの配送をメーカーに依頼するなど効率を高め、更なる競争力へ努力中として、そのためには数量をもって購買力を強くすることが重要で、会員各社にはよりよい商品を活用してほしい」と訴えた。

野々村禎之取締役(ウオクニ会長)は「会員各社の更なるやる気をもって購買力を増やしていこう」と閉会あいさつを行った。

懇親会には会員の他、メーカー商社ら36社76名が参加。志太社長のあいさつ後、メーカーを代表し、ショクリューの梅島信也社長は「日本人の魚離れに危惧している。水産物を増やすよう会員とメーカーが強力なタッグを組んで乗り越えよう」と祝辞を述べた。

乾杯で、田所伸浩副社長(魚国総本社社長)は「目標65億円に対し値上げで増やすのではなく、物量を増やすことでメーカーの皆様と喜びを分かち合いたい」と述べた。

メーカー商社各社による挨拶が行われた後、中締めで吉田和民取締役(東京ケータリング社長)は「15期の節目に65億達成を目指して頑張ろう」と力強く締めくくった。

〈冷食日報 2019年6月21日付〉