〈ほうれん草やコーンは昨年大幅増の反動で減少〉
2019年上半期の冷凍野菜の輸入数量は過去最高を3年連続で更新し、52万tを大きく超えた。昨年は低温によって生鮮野菜の価格が高騰したため代替需要が高まったため、当期はその反動減も見られたが、ポテトとブロッコリーが総量の増加を牽引した。品目別の国別シェアをまとめるとともに、伸長した2品目の現況を概観する。

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2019年上期品目別の輸入高と構成比、キロ当たり主要国シェア

最大品目のポテトは19万tを超え、過去最高となった。トップシェアの米国産が10.4%の大幅増となったのが主因だ。2位のベルギー、3位のオランダはともに減少している。これによって米国産はシェアを2.9ポイント拡大、ベルギーは1.0ポイント、オランダは1.5ポイントそれぞれ減少した。
 
欧州産は14年に米国西海岸の港湾労使問題で海上輸送が停滞した際に、米国産の代替として数量を伸ばし、安価なことから市場に定着してきた。しかし今季は欧州のポテト原料の不作から減少が予想されている。カナダ含め北米産が激しく巻き返している状況にある。なお関税率はWTO協定で8.5%(~品目により13.6%)に対して、TPP11では4.2%(~同9%)、日欧EPA で4.3%(~同9.1%)となっている。
 
ポテトの1キロ当たり単価は平均143.2円と前年同期比5.6%上昇した一方で、需要は堅調だ。輸入量の半分を消化するといわれるFF(ファストフード)市場が好調なほか、コンビニのカウンターフードにもポテトは欠かせない商材となっている。このような需要先の拡大を背景に凍菜最大手のノースイは前期、2割以上ポテトの取扱数量を伸ばしている。
 
ブロッコリーは5.3%増と6年連続の増加となった。この6年(14年比)で48.9%増加したが、エクアドル産は95.2%増と際立った伸び率を見せている。当上半期もトップシェアの中国は前年並みだったが、2位のエクアドルは7.8%増と3年連続の増加となり、中国に肉薄。シェアは中国が2.6イント減で50%を割り込んだ一方、エクアドルが1.1ポイント拡大し、中国とは1.5ポイント差となった。
 
ほうれん草やコーンは当上半期、昨年大幅増の反動減があったのに対し、ブロッコリーは家庭用・業務用とも需要が拡大している。
 
ニチレイフーズは「(家庭用)ブロッコリーの購入頻度は冷凍野菜の中で最も高い」としてこの秋、エクアドル産ブロッコリーの大袋商品を発売する。ライフフーズはデリカ向けにエクアドル産の販売が伸び、4~6月は前年の2倍の売上げを記録したという。
 
高地栽培するエクアドルではブロッコリーの通年栽培ができ、虫などの異物の混入が極めて少ない。輸入各社も拡大の軸足を同国産に移している。エクアドル産ブロッコリーの先駆けであるエア・ウォーターは今春、現地提携先のエコフロス社を買収している。
 
〈冷食日報 2019年8月19日付〉