〈加藤社長「卸売業は豊かな食生活を提供していくプラットフォーム」〉
加藤産業グループと取引のあるメーカー・商社で組織する加友会は11月22日に神戸市内のホテルで総会を開催した。会員メーカー124社149人が出席した。総会の席上、加藤和弥社長は同社の現況と今後の方向性を説明し、「卸売業は、豊かな食生活を提供していくプラットフォーム」との考えと、強いプラットフォームを目指す上での施策を示した。

加藤社長は前期(2019年9月期)業績について、「増収増益となり、利益は過去最高を更新した。しかし、好業績とは言えない。全ての事業で増収だったが、伸び率はマレーシアのレイン ヒンの半年分の売り上げが上乗せした海外事業が突出した。1兆円近い国内ビジネスで利益を伸ばせず、海外とその他の改善で利益を確保した」と総括。「常温、低温、酒類の国内3つの流通事業がコアである。ここで成長しないと未来を作っていけない。利益が前年に届かなかったことを反省し、やるべきことを考えて取り組みたい」と強調した。

グループミッションの主題「『豊かな食生活』を提供し、人々の幸せを実現する」に沿う形で、「卸売業は、豊かな食生活を提供するプラットフォーム」との考えを示し、「得意先には商品を、仕入先には売り場を提供する。ここをつなぐのが営業力であり物流力。これまでも“つなぎ"という言葉をキーワードにしてきたが、仕入先と得意先、商品と売り場をつなぐことが我々の使命。物流業者、システム業者、マーケティング業者に手助けしてもらい、プラットフォームとしてレベルアップしたい」と強調した。また、「コアの加工食品卸売業、酒類、低温・業務用、菓子の卸売業を、プラットフォームを充実する核カテゴリーとして強めていきたい。さらに強みのブランド事業、戦略分野の海外事業を絡めて、様々な取り組みができれば、グループシナジーを出せる」と述べた。

強いプラットフォームに向けての柱となる施策は、営業機能と物流機能の強化と説明。営業機能は、提案型営業の推進、取組会議の強化に引き続き注力する。また、開発商品の拡大を図る。「提案型営業では、コンクールを行い、成功事例を共有している」とした。物流機能については、「現場力の強化が大きな課題。改善活動し、生産性を高めていく。AI活用の推進では、物流予測・人員計画の精度向上、倉庫内レイアウトの最適化にトライしている」と述べた。

海外事業の前期売上高(持分法含む)は474億円(うちマレーシア376億円)、輸出は約6億円だった。「のれんの償却負担が一段と減り、黒字化の見通し。マレーシア、シンガポール、ベトナム、中国で展開しているが、それぞれ課題がある。定期的に会議を行い、連携することが明確になり、少しずつ面としても取り組めるようになってきた」と進捗を語った。

社会要請の対応では、「働き方改革と生産性の向上」「サステナビリティへの貢献」「BCPの見直し」に取り組む。サステナビリティでは、「食品ロスの削減と環境問題への対応が喫緊の課題」とし、得意先、メーカーとの連携の必要性を強調した。

BCPの見直しでは、ある程度事前準備でききる台風に対して、「事前ルールを業界内で取り決めることや、業界内の連携を模索する必要もある」との考えを示した。

〈「創業来72連続で増収、今後も連続増収に期待」/長南会長〉
総会では、長南収会長(キユーピー社長執行役員)が「19年12月に加藤武雄名誉会長が社長就任時から数えて40年になる。加藤産業を全国ブランドへと成長・発展させた。その後加藤和弥社長が就任15年で、前期に売り上げ1兆円の大台を突破し、さらなる発展に向けて海外展開も着実に進めようとしている。創業来72年連続で増収を続けている。今後も連続増収を達成し続けることを願う」と開催あいさつを述べた。

これに応える形で、加藤名誉会長があいさつした。また、12月20日付で退任・顧問就任予定の木村敏弘専務に、長南会長から記念品が贈呈された。

〈冷食日報 2019年11月26日付〉