味の素冷凍食品、「健康」課題への商品開発、他社に先駆ける/黒崎社長

味の素冷凍食品 黒崎正吉社長
味の素冷凍食品の黒崎正吉社長は1月8日開催の新商品発表会で、2020年度から始まる新中期経営計画の中で、商品開発に注力する方針を改めて強調した。特に「健康」に焦点を当てた商品開発に積極的に挑戦する構えだ。黒崎社長の話は概要次の通り。

黒崎社長=味の素グループでは4月から新中期経営計画が始まるが、2020年以降、冷凍食品事業ではさらにポジティブにチャレンジしていきたい。失敗の中からも学んでいく姿勢で取り組みたい。

味の素冷凍食品(FFA)では社会課題への対応、生活者や顧客のニーズを解決しながら事業を拡大していくこと、まさにASV(AjinomotoGroup Shared Value)そのものを起点として、商品開発にもさらに力を入れていきたい。

味の素の西井孝明社長は味の素グループでは今後、アミノ酸技術を活用しながら、食と健康の課題解決企業になっていくとしている。FFAでは特に、健康にチャレンジしていきたい。例えば今回、から揚げでアレルゲン不使用の製品を提案するが、ほかにもいろいろな切り口から今後、果敢にチャレンジしていきたい。

から揚げのアレルゲン不使用は他社に先駆けた取り組みになるが、他社に先駆けて生活者、顧客に貢献できるものにチャレンジしていき、それを当社の強みにしていこうと考えている。20年はオリンピックイヤーとなり味の素グループ全体としても準備しているが、FFA流のやり方を提案していく。

また今後FFAとして、コミュニケーション戦略にももう一段、二段、力を入れていく。

〈「冷食で社会課題解決」を一番考えている会社に/下保専務〉
味の素冷凍食品の下保寛取締役専務執行役員は昨年10月以降の直近の販売概況について説明した。家庭用は「ザ★チャーハン」の休売はあったものの、ギョーザ、から揚げ、ザ★シュウマイなど他の主力品が好調だったことから全体としては前年並みで推移した。業務用は引き続き一部大口需要家のマイナス影響があるが、それを除くと前年を上回って推移している。20年度の事業方針についても説明した。

20年の事業方針について「中心に社会課題の解決を据え、冷凍食品で何ができるのかを一番考えている会社でありたい」とした。

一番おいしいものを届けること、前提条件である安心・安全に加えて、健康と楽しさ、新しい簡便を具体的テーマに掲げた。

健康は意味を広くとらえて取り組む。今回のから揚げ新製品のように、食物アレルギーなど食制限のある人にも食事を楽しんでもらえる商品も含めて取り組む。

食のプラスαの価値として、楽しさについては、食がつなげる絆やつながりに貢献する提案やPRを行う。

簡便について「冷凍食品は元来、簡便なものだが、フードサービスなどで求められる新しい簡便性に応えたい」とした。

〈東京五輪聖火リレーに合わせ、冷食もプロモーション始動〉
味の素冷凍食品は東京五輪開催の今年、味の素とともにオフィシャルパートナーだからこそできるプロモーションを進める。

同社調べでは6割以上が五輪を観戦する意向があり、そのうち9割以上が自宅観戦すると予想されることから「簡単に、出来立てを、みんなで一緒にという場面が増え、そこに役立つのは冷凍食品だ」(上園健販売マーケティング部長)として、拡販を目指す。

聖火リレーが始まる3月26日に合わせて、テレビCM、デジタル広告、SNS投稿キャンペーンなどを開始。同時に公式応援メニューとして味の素グループで展開してきた“勝ち飯”をキーワードした「ホットプレートで勝ち飯スタジアム」というプロモーションを展開する。ホットプレートを左右に分けて、2つのメニューを一度に作ってシェアしてもらう提案だ。

7月24日からの開催期間中には、ギョーザを中心に炒飯、焼売、から揚げなどの販促キャンペーン企画を展開する。

〈冷食日報 2020年1月10日付〉