〈全国店舗での販売は9月下旬を目標、通販や小売店での販売も視野に〉
定食チェーン「大戸屋」を運営する大戸屋ホールディングスは5月19日、冷凍食品市場に参入すると発表した。5月20日から初の冷凍商品8品を直営店22店舗で販売する。1人前1パックの食べきりサイズにして使い勝手を良くした。開発には冷凍弁当などを手掛けるベルーナも携わった。新たな事業の柱として育成し、テークアウトなどを含めた販売比率は50%を目指す。

参入の理由を、同社の取締役で新規開発事業推進本部長兼店舗開発部長の村山康介氏は「毎日店舗に通うのは大変という声もあった」と話す。2019年7月から開発を行い、冷凍技術の進化もあり「店内調理とほぼそん色のないものになった」と自信を見せる。

商品は「鶏と野菜の黒酢あん」(税込580円)や「豚と野菜の黒酢あん」(税込650円)などで、店舗にはないメニューも一部ある。電子レンジや湯せんで解凍する。アイテムは順次追加する。商品の配送は同社の食材の配送網などを活用し、食材は一部を除き店舗と同じものを使う。

主なターゲットは、店舗で販売する際は普段から大戸屋に来店する人を対象とし、今後は通販などの利用を促す。通販などは単身世帯や夫婦のみのシニア層に向けて、既存の冷凍食品に不満を感じている人を取り込みたい考えだ。5月20日から一部店舗で実験販売を行い、9月下旬を目途に全店での導入を目指す。その際は「Uber Eats」や「出前館」でも注文を受け付けられるようにする。通販やECサイト、スーパーなどでも販売を検討しており、8月頃からカタログ通販での販売を予定する。2020年度の販売目標は、全商品の10%程度の販売比率を目指す。店舗での販売は3サイズのショーケースを導入し、最適な販売方法を模索する。

〈「価格ありきでの勝負しない」 小売店販売にも意欲〉
新型コロナウイルスの影響で3月以降テークアウトとデリバリーは「昨年対比150%以上の成長」(村山氏)と明かす。冷凍食品の開発は「今回の影響を受ける前から行っており、たまたまコロナが蔓延した」と話す。

商品は委託先の工場で調理する。「可能な限り店内加工の手法を活かして作っている。今は1カ所で製造しているが、将来的には生産ラインや拠点の拡大も検討したい」と述べる。

一部の量販店からも声がかかり始めており、今後スーパーで販売する際は「価格ありきでの勝負はしたくない。できるだけ質の良いものとして適正な価格で置いていただける所と取り組めれば」と力を込めた。

【商品一覧(すべて税込)】
◆鶏と野菜の黒酢あん

160g、580円

◆豚と野菜の黒酢あん
160g、650円

◆デミハンバーグ
150g、550円

◆沖目鯛幽庵焼き
90g、680円

◆さば塩焼き 頭尻尾同パック
150g、680円

◆しまほっけ塩焼き 頭尻尾同パック
150g、680円

◆五穀米おにぎり2個入
160g×2、200円

◆しそひじきおにぎり2個入
160g×2、200円。

〈冷食日報2020年5月20日付〉
大戸屋の冷凍食品ラインアップ

大戸屋の冷凍食品ラインアップ