冷食協、冷凍食品100周年事業を柱に広報事業を展開/令和2年度通常総会

冷食協、伊藤滋会長(マルハニチロ会長)は相談役に、新会長にはニチレイ・大櫛顕也社長が就任
日本冷凍食品協会は5月19日、都内会議場で令和2年度通常総会を開催した。役員改選では、新会長に大櫛顕也ニチレイ社長が就任した。また、今年は北海道で水産物の冷凍事業が始まってから100年目にあたり、広報事業では「冷凍食品100周年」を柱に据えた展開を図る。

今回の総会は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、出席は正会員に限定し、正会員出席者数15、委任状出席者数83で開催され、事業報告・計画および決算・予算などの議案はすべて成立した。

事業計画の事業運営方針は、前年度に沿った形としている。広報事業では、「冷凍食品100周年」を事業の柱に据えるとともに、「100周年」を広報事業全体で統一的に展開する。また、主な訴求対象として、今後の需要拡大が見込まれる「シニア」を引き続き主なターゲットとするが、「冷凍食品100周年」事業を展開する上で、幅広い訴求対象とする。

冷凍食品100周年記念事業では、北海道森町と共済で、9月に記念イベントを開催。併せて道内でメディアミックスでの露出を図るとともに、新聞全国紙でも冷凍食品の歴史と価値を伝える広告を掲載する。

さらに、10月7日~9日、東京ビッグサイト青海展示棟で、冷凍食品や機器設備の専門展示会を開催する。

また、「ココロにおいしい、冷凍食品」に加え「冷凍食品100周年」をロゴ化し、各種事業で活用するほか、会員や業界関係者のWEB、パンフレット等でも協力を要請する。

PRイベントは、10月18日の「冷凍食品の日」PRイベントを、18日が日曜日のため引き続き10月15日に開催。ここでも「冷凍食品100周年」をキャッチとし、より一層のマスコミ露出を計る。10月には農水省「消費者の部屋」特別展示も継続実施を目指す。

ほか、「冷食ONLINE」を始めとするWEB活用、「冷凍食品100周年」をフックとした一般紙、ラジオ、WEBメディアなどの活用を継続。地方では福岡、北海道でメディアミックスでの露出を行い、相乗的なPR効果を高める。

業務用関係者に向けては、学校給食関係者への啓発に引き続き注力するほか、医療・介護関係では管理栄養士など専門家によるセミナーを実施する。

啓発活動としては、調理師学校など学生を対象にした講習会のほか、消費者を対象に、生協と連携した講習会を継続するほか、子育て世代、PTA等、細分化した対象での講演会を企画し、開催数拡大を図る。

品質・技術事業では、改正食品衛生法への対応を重点課題とし、認定工場には定期検査で実施するHACCP診断結果に基づき、衛生管理計画作成・運用について指導する。また、希望する会員非認定工場に対して、非認定工場支援策を活用した指導・支援を行う。さらに、19年12月に公表した衛生管理計画作成の手引書を基にした「衛生管理計画作成講習会」を前年度に続き各地で開催する。また、引き続き非会員に対して講習会の周知を行う。

品質・安全問題への対応では、各種制度改定への対応として、食品衛生関係で引き続きHACCP制度化、国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制、営業許可制度の改定、食品等のリコール情報の報告制度などで周知・対応。食品表示法関係では調理冷凍食品品質表示基準を協会として廃止する方向で消費者庁と調整する。

統計調査事業では中食における冷凍食品の利用実態調査を盛り込む。また、会員関係事業では外国人材受入れ制度への対応を図る。

〈新会長にニチレイ大櫛社長〉
役員改選では、新会長にニチレイの大櫛顕也社長が就任。伊藤滋会長(マルハニチロ会長)は相談役に就く。藤井幸一副会長(サンマルコ食品社長)、木村均専務理事、尾辻昭秀常務理事は留任した。新任役員として、理事には鈴木徹東京海洋大学特任教授、監事にはマルハニチロの若宮靖史執行役員家庭用冷凍食品ユニット長が就任した。

会員の異動状況は、2019年度は加入6、退会11で計447社となった。

新規加入は正会員として、
▽ハインツ日本(東京)

準会員として、
▽平林産業(長野)
▽Surapon Supreme Foods Company Limited(タイ)
▽フジケンミンフーズ(静岡)

賛助会員として、
▽パロマ(愛知)
▽大森機械工業(埼玉)
――が加入。

また、今年度に入り賛助会員に、
▽山北町農林水産加工公社(新潟)
▽士別市農畜産物加工(北海道)
――が加入している。

〈冷食日報2020年5月21日〉