〈新規ユーザーのリピーター化が鍵〉
コロナ禍で加工食品需要が拡大した中、家庭用冷凍食品も需要が伸びている。KSP-POSのデータによれば、2020年1〜7月累計での冷凍食品合計の販売金額は前年比9.2%増と伸長した(調査対象=全国の生協・スーパー約150チェーン1027店舗)。

コロナ禍の自粛生活の中では、外食から内食・中食へのシフトが大きな波として進んだ。業種・職種によって濃淡は明確にあるものの、テレワークが進む中で、家庭内で食事を摂る機会が増えた。そうした中で、家庭用冷食ではこれまでも簡便性の高い個食型商品の伸びが顕在化していたところだったが、その流れが一層進んだようだ。

特に休校要請、外出自粛要請、緊急事態宣言など出された2〜5月の伸びが顕著で、2月11.4%増、3月19.7%増、4月19.3%増、5月9.9%増と需要が拡大した。こうした中で、3〜4月はメーカーへの発注も大きく膨らみ、一部メーカーでは主要商品に生産を絞り、フル稼働でなんとか供給を確保したという。足元では6月2.3%増、7月2.9%増と落ち着いているが、それでも堅調に推移している。

1〜7月累計でカテゴリー別に見ると、冷凍調理4.9%増、冷凍麺16.9%増、冷凍米飯10.1%増、冷凍農産14.1%増、冷凍ピザ・グラタン7.0%増となっており、特に麺・農産・米飯の伸び率が高い。
家庭用冷凍食品の合計およびカテゴリー別前年比増減率推移(KSP-POS)

家庭用冷凍食品の合計およびカテゴリー別前年比増減率推移(KSP-POS)

 
冷凍麺は大きく分けて「素材麺」と「具付き麺」に分けられるが、コロナ禍で巣ごもり消費が拡大する中、素材麺は家庭での調理機会が増える中で素材として、具付き麺はテレワークや休校の影響で簡便調理できる昼食等として、それぞれが消費者のニーズに応える商品として伸長した。
 
また、冷凍農産品は近年伸長傾向にあったが、巣ごもりの中で備蓄性・簡便性および廃棄ロスが出ないという利便性が評価されている。冷凍麺・冷凍農産品については6月以降も高い伸び率を維持しており、新規ユーザー・リピーターの獲得が進んだと見られる。
 
一方、最大ボリュームの冷凍調理はからあげ・ぎょうざなど惣菜類やお好み焼・たこ焼などの商品が前述の冷凍麺同様、内食需要や簡便性需要で大きく伸びた一方で、休校やテレワークの影響から「お弁当」の需要が消失し、弁当品が本紙調査で一時2割減となるなど苦戦したこともあって、冷凍食品の中では比較的伸び率が低かった。6月以降お弁当需要も回復しており、堅調推移となっている。
 
足元では米飯やピザ・グラタンが前年割れと不調だが、コロナ禍で獲得したと見られる新規ユーザーにいかにリピーターになってもらうか、商品や店頭での提案が求められそうだ。