〈廃棄物の再資源化率は90%超、自然冷媒への転換は足踏み〉
2019年の冷凍食品業界におけるエネルギー消費量(原単位=一定量の生産あたりの消費量)は前年比3.8%増と増加したが実質的には0.9%減となり、毎年1%程度削減するよう努めるという目標を概ね達成した。

また、廃棄物の再資源化率は全体で90.7%となり、基準年である1997年の43.6%に比べ大幅に向上している。一方で、冷媒においては自然冷媒への切り替えはなかなか進んでいないようだ。日本冷凍食品協会がこのほど、「冷凍食品業界における第二次環境自主行動計画」2019年度フォローアップ調査結果を公表し、明らかにした。

冷凍食品は、製造過程で凍結・冷凍保管が必須であるという特性があり、それが特徴的なエネルギー消費や環境負荷を生み出している。冷凍食品業界では、地球環境問題への対応として1999年に「冷凍食品業界における環境自主行動計画」(第一次)を策定。さらにその対応をより強化するため2015年3月、「冷凍食品業界における第二次環境自主行動計画を策定した。

同計画では、
〈1〉エネルギー消費原単位を毎年1%程度削減
〈2〉2020年までにHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)の比率を50%程度まで引き下げる。2030年までに全廃する
〈3〉再資源化率の向上、廃棄物の発生抑制
――という目標を設定している。

今回の調査は、同協会の冷凍食品製造業会員を対象にWEBを通じて実施。上記目標の、
〈1〉172社
〈2〉297社
〈3〉242社
――の回答を得た。結果の概要は次の通り。

〈1、エネルギー消費原単位〉
エネルギー消費原単位

エネルギー消費原単位

2019年の冷凍食品産業のエネルギー消費原単位(製品1トン当たりエネルギー消費量・原油換算)は前年比3.8%増と、前年比1%程度削減するよう努めるという目標を達成できなかった。
 
ただ、調査回答企業数が昨年に比べ大幅に増加(昨年120社、本年172社)し、対象企業が異なることが増加の要因と考えられる。昨年とほぼ同じ調査対象企業で比較すると0.9%減となり、実質的には目標を概ね達成している。
 
〈2、冷媒について〉
工場内で使用している凍結機、冷蔵庫・冷凍庫を対象として、2019年の冷媒別構成比(kW数・定格)をみると、オゾン破壊係数が最も高いCFC(クロロフルオロカーボン)は構成比が0.2%と低位だが横ばいだった。次いでオゾン層破壊係数が高く、2020年に生産中止となるHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は構成比が55.6%と、前年比で2.4ポイント低下した。
 
また、国際約束により生産量が年々削減されるHFC(ハイドロフルオロカーボン)は、構成比が26.2%と2.5ポイント上昇した。自然冷媒の割合は17.9%と0.3ポイント低下したが、kW数では増加していることから、徐々に増えていると考えられる。
 
なお、HCFCの構成比が減少しHFCの構成比が増加しているのは、コスト面から直ちに自然冷媒への転換が難しいためと考えられるとしている。
 
〈3、廃棄物対策〉

廃棄物の再資源化率

廃棄物の再資源化率

廃棄物の再資源化率は全体で90.7%となり、前年の93.2%は下回ったが、基準年である1997年の43.6%に比べ、すべての種類で大幅に向上している。
 
2001年に施行された食品リサイクル法は、2007年の改正で食品廃棄物の再資源化率目標が業種別に設定された。食品製造業では2012年までに目標値として85%が設定された。さらに2015年、2019年に目標が改定され、2024年度までに目標値95%が引き続き設定されている。
 
〈冷食日報2020年11月12日付〉