「おかづまみ」やカップ入りのチャーハンなど、新しい価値提案を進めてきたセブン‐イレブン・ジャパン。提案を強める付加価値商品も支持は広がっている。商品本部FF・惣菜部FF・冷凍食品シニアマーチャンダイザー園田康清氏に商品戦略を聞いた。
セブン‐イレブン・ジャパン 園田氏

セブン‐イレブン・ジャパン 園田氏

 
――冷食市場全体の動向は
 
消費動向など変化する中、冷凍食品は個食や簡便性などが支持されてコロナ禍でも伸長していると聞く。家庭でストックでき、好きな時に食べられるという価値が見直されたと思う。テレワークなどの昼食の際に時間をかけずに食べられる点でも好調だった。夜遅い時間の来店者は減っているものの、夕方の来店者は増えており、調理の時間を減らしたいと考える方などからよく利用されている。
 
――セブン‐イレブンの売上は
 
数字は非公表だが、好調に推移している。最も伸びたカテゴリーの1つだ。
 
トップシールのパスタは皿になっていて召し上がれる点が支持された。「おかづまみ」シリーズもトレーを皿として使えて、電子レンジで簡単に食べられる点が評価を得た。
 
これら商品はコロナ前から企画していた。簡便即食はコンビニが切り開いたマーケットで、トレー入りの商品はいち早く取り組んできた。この流れは広がってきている。
 
惣菜カテゴリーは、マーケットがお弁当向けのおかずメインだった。冷凍惣菜が弱い中で来店される方が求める惣菜は何かを考えたとき、「おかづまみ」にたどり着いた。酒類など別商品との買い合わせの比率は高く、買い上げ点数や客単価の向上に貢献している。品ぞろえも1年前と比べて1.5倍に広げており、選べる環境が出来ている。商品を面で訴求できるようになった点も良かったと思う。
 
――その他に好調な商品は
 
伸長率が高いのは、品質にこだわった商品群だ。10~20品目は専用工場で製造しており、こだわりの調理や工程などを実現した、他と差別化できる商品だ。データを確認するとリピート率は高くなっている。
 
セブン‐イレブンの商品は美味しいものを追求し、改良を進めてきた。例えば「築地銀だこ たこ焼 6個入」は、店舗と同じように手作りだ。「金のマルゲリータ 1枚入」も、生地は手伸ばしで具材にもこだわった。冷食としては高価だが、ベスト10に入る販売を記録している。
 
今後伸びるのは素材系の商品だと思う。ネギや、ホウレン草などの冷凍野菜は順調で、品ぞろえの拡充を進めている。
 
――開発のこだわりは
 
冷凍食品に着目して10年以上が経つ。これまで商品拡充や売場整備を計画的に進めており、支持を得られた。コロナ禍では冷凍食品の利便性が評価され、販売増にもつながった。ただ、冷食は装置産業なので、デリカなどと比べると開発に時間がかかる。そのため、協力メーカーの専用工場はポイントになる。そこだけにこだわって開発しているわけではないが、この取り組みで当社のこだわりを実現した、差別化できる商品の開発につながっていると思う。今後も「築地銀だこ」や「金のマルゲリータ」のように、こだわりのある商品を作れるところと手を組み、商品のレベルを高めたい。
 
冷凍食品はコロナ禍に広がってきた。多くの方に使っていただけており、期待されていると感じている。そこに応えられるよう開発を進めていく。
 
一方、利用者の意識として、「冷凍食品は美味しくない」というイメージはまだある。また、喫食された方の意見で「冷凍食品としては美味しい」という声もあった。次のステップは、「冷食として」ではなく、「セブン‐イレブンの冷食は美味しい」と言ってもらえるレベルにしたい。そうして、冷凍食品のイメージを変えたい。
 
セブン‐イレブンでは一度買ってもらうとリピート購入につながりやすいというデータがある。一朝一夕でなく、商品開発や、製造などに時間をかけて取り組んでいる。多くの方に冷凍食品が美味しくなっていることを知ってもらうことで、市場を盛り上げたい。
 
〈冷食日報2021年2月17日付〉