マルハニチロ、家庭用冷食4~8月販売は2%増、市場は8月単月8%増、今秋新商品も出足好調

マルハニチロ「極旨!ももから揚げ」
マルハニチロの家庭用冷凍食品の4~8月の販売実績はで前年比2%増で着地した。このほど、綿引建司市販用冷凍食品部長に市場と同社の概況について話を聞いた。
マルハニチロ・綿引建司市販用冷凍食品部長

マルハニチロ・綿引建司市販用冷凍食品部長

4~8月の家庭用冷食市場は前年比3%増と、前年大幅増の裏年にもかかわらずそれを上回っている。第1四半期は前年比1%増程度だったが、そこから伸び、直近では8月単月で8%増と伸長。「緊急事態宣言の影響による学校始業の遅れもあり、子どもの昼食等で冷食を買いだめる購買行動があったのでは」という。
 
4~8月市場のカテゴリー別では、弁当品が前年比100%、米飯2%増、麺類3%増、中華惣菜4%増、惣菜9%増、和風スナック1%減、洋風スナック18%増、農産100%となっている。
 
そうした中、同社では弁当品は5%増ほどと市場を上回り、麺・米飯・スナックも前年並~プラスで推移しているという。また、市場の平均単価は1%増238円と小幅上昇だが、前年8%増と上昇しており、上昇傾向が続いているという。
 
今秋新商品の動向は、8月1日に発売した「極旨!ももから揚げ」は新商品の中で最も動きが良く、ほか9月1日発売の商品ではピザの「耳までチーズ マルゲリータ」、米飯「炙り焼きほたてめし」、「WILDish ガーリックめし」、弁当品「デミたまハンバーグ」といった商品の配荷が良く、9月1週時点ではあるが他社と比較しても好調だという。
 
〈タイ生産の新商品「極旨!ももから揚げ」は供給継続〉
また、タイの協力工場で生産する「極旨!ももから揚げ」の生産面では、現地コロナ禍の影響で稼働が100%とはいかず、コンテナ輸送面でも遅れはあるが、供給は継続できるという。
 
下期は、コロナ禍の動向にもよるものの、外食の回復などにより特需が収まることを見通すが、テレワークなどは継続すると考えられ、10月にTVCMを投入するなど販促を強化していく。一方、原料価格の高騰などもあり、適正価格での販売を心掛けたいとした。
 
〈足元はTV番組効果で好調、POP作成で盛り上げも〉
なお、同社の冷凍食品は9月11日土曜日にTBS テレビ系列で放送された「ジョブチューン」で取り上げられ、露出が高まった。
 
綿引部長によれば、視聴率も8.3%の同時間帯2位と上々で、月曜日のオーダーは通常の2倍になるなど好調。スーパーのPOS データでは、番組で取り上げられた10品は放送翌日には通常の3~5倍の売上となったという。徐々に沈静化するとは見られるが、同社では番組のロゴを使ったPOP なども作成し、店頭を盛り上げていくという。
 
〈冷食日報2021年9月21日付〉