味の素冷凍食品は11月19日、味の素グループ冷凍食品事業の2021年度上期業績報告会を専門紙向けに開いた。

冷食事業では国内外とも事業構造強化に2022年度まで集中しているなか、国内事業の中核である味の素冷凍食品の上期業績は微減収、減益となった。

売上げについて、家庭用はコア領域の商品群が売上げを伸ばして増収となったものの、構造改革を優先している業務用領域の減収をカバーするには至らなかった。

国内の利益については前年同期に投資できる環境になかったマーケティング費用を今期は活用したことが相対的に大きな減益要因となった。

黒崎正吉社長は「コロナ禍の中でも事業構造強化は着実に進んでいる」と強調した。

味の素冷凍食品の当上期売上高は505億円で前年比1%減、家庭用はコロナ禍のもとで大幅に伸長した前年を上回ったが、業務用とキーアカウント(外食チェーンやコンビニエンスストア、病院・施設など特注品を中心として事業展開する領域)の減収をカバーしきれなかった。

売上げの内訳は家庭用が前年比3%増(2019年比12%増)、業務用が4%減(2019年比36%減)、キーアカウント16%減(2019年比22%減)、同社海外20%増(2019年比38%増)――。

「タイのコロナ影響による鶏肉製品の供給不足が7月から9月にかけて打撃となった」ものの、年度進捗率は51%を達成した。

事業構造強化は進んでおり、当上期の単価成長率は4.4%増と、当初計画を上回った。またGP率は前年よりも1.0pt上昇(2019年比3.9pt)した。一方で事業利益は36億円と前年より10億円減少。前上期にはマーケティング費を活用できなかったが、当上期は戦略的に活用したこと、タイの鶏肉の影響も出ている。

家庭用ではコア商品群のギョーザ、シュウマイは順調に成長している。特に「ザ★シュウマイ」は20%ほど増加した。

もう一つのコア商品であるデザートは売上げを大きく上回った。C&Cや生協など宅配といった販売チャネルの開拓が進んでいる。

戦略製品と位置付ける、鶏肉製品は上向いていた矢先に、タイのコロナ禍によってダメージを受けた。ただし現状は現地工場の要因はおおむね確保できているという。「予定よりも2カ月弱早く対応できた」として、当初年明けの販売再開を予定していたが、10月から「やかわら若鶏から揚げ」を、11月末から「ザ★から揚げ」を再発売できる状況にあるという。

米飯は付加価値型にシフトしていく方針だ。米飯では他社に先駆けて減塩製品を発売している。下保寛専務は「流通の関心が想定以上に強い。高血圧患者が日本全国に1,000万人いることから、潜在的なニーズが大きいという認識がある。しっかり育成していく」としている。

新規商材として今後、「ザ★ハンバーグ」や業務用のキッシュなど野菜製品に力を入れていく。「ザ★ハンバーグ」は期待通りの店頭回転とする。「店頭価格は300円台後半が多く、高単価商品だが、トライアル、リピートともしっかり数字が付いてきている」(下保専務)とした。相乗効果によって既存の洋食亭ハンバーグも伸びているという。

味の素冷凍食品の通期計画は売上高が996億円で前期比1%減、営業利益は69億円で前年よりも2億円の減少を見込む。売上高事業利益率は前期並みの7.0%となる見込みだ。

〈餃子シェア低下は「健全成長の結果」〉
冷凍餃子市場シェアが当上期45%と2pt落とした点について、下保寛専務は「冷凍餃子はこの2〜3年急拡大を続けている。拡大のドライバーには2つある。1つは当社がトップブランドとして今年のオリンピックや去年の手間抜き論争などで新しいお客様を取り込んできたこと。もう一つは新規参入や競合のプレーヤーが新しいお客様を取り込んでいること。みんなで市場を大きくしている状況といえる。これは非常に健全な状況だ。相対的にシェアが落ちているが、絶対値として生産キャパを拡大し、製品の幅も広げている中でのことだ。とはいえ当然、これからシェアを上げていきたい」とした。

〈冷食日報2021年11月24日付〉