エム・シーシー食品 神戸市「ポートアイランド工場」お披露目、生産能力は本社併設工場の1.3倍、「思いを込めた新工場」

エム・シーシー食品 新工場「ポートアイランド工場」(神戸市中央区)
エム・シーシー食品は2月18日、新工場「ポートアイランド工場」(神戸市中央区港島南町4-2-8)のお披露目会を開催した。

神戸市東灘区の本社に隣接している甲南工場、神戸工場(神戸市長田区)、住吉工場(神戸市東灘区)に次ぐ、神戸市内4カ所目の直営製造拠点だ。生産能力は甲南工場の1.3倍となる一方、従業員数は7割程度に抑えられており、高効率省人化に特化した最新鋭の工場となっている。現在は、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格「FSSC22000」取得を目指している。

新工場は、約11カ月の工期を経て2021年12月に竣工、2022年1月29日に稼働を開始した。本格稼働は3月14日を予定しており、甲南工場で製造していたレトルト、冷凍食品の小袋商品をメーンに製造する。これにより、甲南工場は当面、ハンバーグやコロッケなどの製造が中心となる。

新工場の1階は製造ラインを置く「生産エリア」、2階は従業員の更衣室や社員食堂などを置く「事務厚生エリア」としている。1階の生産エリアは、エム・シーシー食品の要である加熱調理室を広くとった。水垣佳彦常務は「当社では各工程を『調合ではなく調理、ブレンドではなくクッキング』と言い、加熱調理室で大半を手作りしている。また、調理工程以外の部分は極力省人化できるようにした」と話す。梱包などの出荷直前のエリアでは自動省人化を進めた。

新工場2階の「事務厚生エリア」には、社員の意見を取り入れたくつろぎのスペースを設けた。社員食堂からは神戸空港を望める広めの窓があり、明るく開放感的な空間となっている。従業員更衣室には、既存工場でも人気の畳のスペースを作った。また、女性社員の声から生まれた「ホテルのようなトイレ」を設置している。水垣常務は「1階は、頑なに手作りにこだわり、味の道を追求する先代の社長の思いがつまったエリアに。2階は様々なことに挑戦して新たな価値を生み出す『協創の精神』という現社長の思いが詰まったエリアになっている」と、新工場に込めた思いを話した。

〈エム・シーシー食品「ポートアイランド工場」概要〉
◆所在地
神戸市中央区港島南町4-2-8

◆延床面積
6,214平方メートル

◆総事業費
約40憶円

◆建築構造
鉄筋コンクリート

◆設計施工会社
中設エンジ

〈冷食日報2022年2月22日付〉