SL Creations、冷食「ジーズメニュー」の一般販売拡大に取り組み、普及版は「Wise Days」、糖質カットの冷食シリーズも

SL Creations「ジーズメニュー」グラタン好きのためのシーフードグラタン
SL Creations(東京都大田区、佐藤健社長)は3月8~11日に開催されたFOODEX JAPAN2022に初出展した。

FOODEX フローズンアワードエリアに出展したブースには、日本最高峰の冷凍食品シリーズをうたう「Z’s MENU(ジーズメニュー)」と4月から一般向けに発売する菓子ブランド「Any O’clock(エニーオクロック)」を展示した。

連日50件ほどの商談申込みがあったとして、初出展にも手ごたえがあったようだ。同社は地域の販売員を通じた冷凍食品を中心とした宅配サービスを事業の中核とするが、ジーズメニューの一般向け販売が食のセレクトショップや百貨店で定着してきた。ジーズメニュー発売から約2年たったが、認知度を高めて導入店舗を増やしていきたい考えだ。今回の出展もその一環となる。

ジーズメニューは多くが1人前規格だが、リブロースステーキが税込み2,900円、シーフードグラタンが1,500円など、量販店で販売する既存の冷凍食品とは商品設計が異なる。一方で、もともと外食の置き換えとしての需要を見込んで開発した商品だが、新型コロナウイルス感染拡大による外食自粛の社会環境において注目され、テレビなど各種メディアに取り上げられたことが、販売の追い風になっている。

佐藤社長は「皆が購入する商品ではないかもしれないが、食や健康を大事にして、高いお金を払っても安全で良質なものを食べたいという層がある」として、客層が合致する業態への導入拡大を目指す。

SL Creations 佐藤社長と開発担当の山本文氏

SL Creations 佐藤社長と開発担当の山本文氏

ジーズメニューでは「スマリテ」システムを使った無人販売店のテスト販売を都内のマンションで始めた。スマリテはゴールデンバーグ(東京都、金澤秀憲代表取締役)が展開するシステム。オートロックの冷凍ケースから商品を取り出し、扉を閉めると自動決済される仕組みだ。同社ではジーズメニューよりも買い求めやすい冷凍食品シリーズの開発も進めている。シリーズ名は「Wise Days(ワイズデイズ)」になる模様だ。健康で美しくなるための日常の食事をイメージして名付けた。
 
冷凍食品では低糖質シリーズ「リメークボディ」も立ち上げる。自社既存品よりも30%以上糖質をカットした商品群を展開する。肉まん、肉シューマイ、きのこグラタンを5月に発売する予定だ。通常の糖質カット調理品では結着剤によって肉を保形する場合が多いが、同シリーズでは同社独自の添加物基準にもとづいて、そうした添加物を使用せずに加工しているのが特徴だという。
 
〈初お披露目「Any Oclock」〉
菓子シリーズ「エニーオクロック」はフーデックスで初のお披露目となった。
 
いつでもどこでも食べられる、おいしくて身体にも、地球にもやさしいおやつ、というコンセプトだ。おからと米ぬかを使用したクッキーを4月に、国産オーガニック野菜をたっぷり使ったチップスを5月に、それぞれ発売する。パッケージの紙には廃棄食材のアップサイクルとして、日本初のおからペーパーを使用。おからを5%練り込んだ包装資材を製紙会社と共同開発した。
 
またパッケージアートには障がいをもつアーティストの作品を採用した。点字や盲導犬の絵が寄付先をあらわしており、売上げの一部を各種支援団体に寄付する仕組みも導入している。クッキーは「ヘルシー フィリングスナックス 紫芋&ココナッツ」など6種、各12個入り1,280円、野菜チップスは「ベジタブル プチ ビッツ シナモンパンプキン」など3種、各25g860円。
 
これまで同社では常温の菓子類の取り扱いはなかったが、要望は多かったという。既存ユーザーよりも若年層である、30~40代をターゲットの中心に据え、買うことに意義があり、デザインもかわいく、食べてもおいしく健康的な商品に仕立てた。
 
洋菓子だけでなく、酢こんぶの商品化も計画している。
 
新シリーズ商品としてはペット用サプリメントも4月から発売する。佐藤社長はこれらの尖った商品から一般小売チャネルでの販売を進め、企業認知を広げていくことで、最終的に販売員による既存販路に誘引していきたいとしている。
 
〈冷食日報2022年3月16日付〉