発売から今年で50周年を迎えた、味の素冷凍食品の看板商品「ギョーザ」。

これまでに50回以上の改良を行い、今では水と油を使わずに、誰でも簡単に羽根つき餃子を作ることができ、冷凍餃子のシェアトップを誇る。今では多くの人から支持される商品だが、これほどの商品に育てるために同社はさまざまな取り組みを重ねてきたという。

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〈間口は拡大続く 開発の際は1日に50個以上食べることも〉
味の素冷凍食品の調査によると、「ギョーザ」は2003~2021年において、市販用冷凍食品の単品売上金額でトップを走り続けている。まさに、日本の冷凍食品を代表する商品だ。ラインアップの拡充にも力を注ぎ、「生姜好きのためのギョーザ」や「レンジで焼ギョーザ」、「水餃子」、「黒豚大餃子」「米粉でつくったギョーザ」に加え、今年2月に発売した「黒胡椒にんにく餃子」、「シャキシャキやさい餃子」など、さまざまなニーズに応えられるようにしている。

レンジ1つで調理を終えられる商品が多く出ている中、多くの冷凍餃子と同様に、同社の商品はフライパンで焼く必要がある。ただ、「この“焼く”工程こそが重要」と、製品戦略部の谷隆治さんは話す。

「フライパンで調理という工程が入るため罪悪感を感じづらく、最初に使う冷凍食品として餃子は手に取ってもらう機会が一番多い商品です」と明かす。そこから、冷凍食品の美味しさを実感し、ハンバーグやから揚げなどの利用にもつながっているという。特にコロナ禍以降、間口は広がり、「2桁近く伸び続けているような状態です」と語る。「ギョーザ」はこれまでに50回以上の改良を重ねてきた。味と共に、水や油を使わずに羽根つきの餃子を楽しめる、という改良も施している。

谷さんは開発にも携わっている。多い時はどれくらい食べるのかを尋ねると、谷さんは「多い時は1日で50~60個食べるので、1日中餃子を食べていたこともありますね」と笑った。また、「開発はみんな『ギョーザ』への愛が深くて。大変ですけど楽しいですよ」と話す。

〈発売初期の売上トップは「シューマイ」 2000年から認知高まる〉
「ギョーザ」の発売は1972年。開発のポイントは、

〈1〉家庭の食卓に上る頻度が比較的高い
〈2〉家庭で手作りしにくい
〈3〉家庭の調理器具で解凍調理が容易にできる
――の3点とした。「ギョーザ」のほか、「シューマイ」や「ポテトコロッケ」など12品を同時に発売した。

当時の食卓において、餃子はどのようなメニューだったのか。谷さんは「調べると、餃子は安価で栄養価が高く、しかもおいしいため、戦後に広がりました。また、当時の食事は家で手作りすることが多く、家庭で作りやすいことも人気の一因でした」と説明する。

ただ、長年「ギョーザ」の売上は2番目で、トップは「シューマイ」だった。谷さんは「『シューマイ』は食卓のおかずに加えて、冷凍食品の主要オケージョンであったお弁当としても役立っていたため人気がありました。でも、「ギョーザ」は弁当にはあまり入れられないので、そこで差がでたのかもしれません」と述べる。

しかし、「ライフスタイルの変化から冷凍食品の使用が年々食卓にも広がってきており、『ギョーザ』にはまだまだポテンシャルがあると、当時の社内では考えていた」(谷さん)。そして当時の簡便ニーズを捉える形で1997年に油なしでも調理できるように改良し、その後も製法や原料の改良を続けた。

「ギョーザ」の認知が高まったのは2000年に入ってからだ。2003年にはプロにならった手作りに近い製法を取り入れ皮は最適な小麦を選定したほか、水や塩にもこだわってより良い食感を目指して開発された。2006年度には単品売上が100億円になるなど、味の素冷凍食品を代表する冷凍食品に成長した。

〈冷食日報2022年4月14日付〉