日本水産 2023年「ニッスイ」に社名変更、長期ビジョンと中期経営計画を策定、ブランドシンボルなども刷新

日本水産 新社名「ニッスイ」のブランドシンボル
日本水産は4月20日、長期ビジョンおよび中期経営計画の策定に加え、2023年1月から商号を「株式会社ニッスイ」に変更することなどを発表した。21日、都内会議場で浜田晋吾社長が記者会見した。

長期ビジョン「Good Foods 2030」では、2030年のありたい姿を「人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー」とした。環境価値・社会価値・人財価値・経済価値という4つの価値創出を目指すとし、それぞれKPI(重要業績評価指標)を設定。

経済価値の定量目標としては売上高1兆円・営業利益500億円を掲げている。そこへ向かう第1段階として2022~24年度の3カ年中期経営計画「Good Foods Recipe1」に4月1日より着手した。また、長期ビジョン策定にあたりミッションを新たに定め、これを「ブランドプロミス」とし、ブランドシンボルとブランドスローガンを新たに導入するとともに、社名(商号)も変更する。

ミッション(ブランドプロミス)は次の通りとした。

私たちを突き動かすもの。
それは「人々により良い食をお届けしたい」という志。
海で培ったモノづくりの心と未知を切り開く力で、
健やかな生活とサステナブルな未来を実現する新しい“食”を創造していきます。

このミッションには〈1〉「食」の可能性を追求し続ける企業であること〈2〉海に育てられ鍛えられ培われた企業風土を継承すること〈3〉サステナブルな未来を見据えて進んでいく決意――が込められているという。浜田社長は「水産に限らず、農産・畜産も含めた“食”に注力する企業を目指す一方、祖業である水産業、海への想い・リスペクトを変えることなく、未来志向で進んでいきたい」など話した。

そして、これらを表すブランドシンボルとブランドスローガンを決定。ブランドシンボルは、国内外すべてローマ字のロゴとし、小文字にすることで優しさ、親しみを表現。フレーム部分は従来のシンボルを踏襲し、左右からぶつかる波や大漁旗にも似たイメージを表現している。ブランドスローガンは「まだ見ぬ、食の力を。」とした。このブランドシンボル・スローガンは順次運用を開始するとともに、コーポレートブランディングを強化していく。

さらに、2023年1月1日付で社名を「株式会社ニッスイ」に変更することを決めた。6月28日開催の定時株主総会での承認を経て正式決定する。英語表記は現在の「Nippon SuisanKaisha,Ltd.」から「Nissui Corporation」へ変更となる。

同社グループは、食品、ファインケミカルと幅広い事業展開を進めており、「水産」という特定の事業を表現した現在の社名では、実状を十分に表さなくなったためだという。今回策定したミッションのもと、「食」の可能性を追求するにあたり、水産という特定の事業を表現した社名から、長年育まれた呼称「ニッスイ」を社名にするとしている。

〈冷食日報2022年4月22日付〉