ニチレイフーズ「極太つけ麺」調理・洗い物の手間いらず、レンジ・ボイル調理のデミソースハンバーグも/2022年秋季新商品

ニチレイフーズ「極太つけ麺」
ニチレイフーズは7月8日、2022年秋季新商品を発表した。家庭用では「冷やし中華」に次ぐパーソナルユースの麺商品の第2弾として「極太つけ麺」を発売する。

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1食入りの「極上ハンバーグ」も投入し、水をあけられているチルドハンバーグ市場に対抗する。業務用では専門店品質のチーズインハンバーグを複数の調理方法に対応させて発売。「生IQF」シリーズとして未加熱タイプ商品にチキンカツを加えた。

家庭用では冷凍食品で新商品10品、リニューアル品11品を、常温食品で新商品1品を、9月1日に発売する。一部エリア限定発売。家庭用冷食ではコロナ禍においてストック目的や、テレワーク時や料理疲れの際のお助け食品として、また中食の代替として、冷凍食品の様々な価値が認知され、2022年度は「生活必需品」としての冷凍食品、すなわちニチレイフーズの考える「冷凍生活」の実現――を掲げて事業展開する。

家庭用事業の戦略テーマである「力強いカテゴリー政策の推進」と「新規需要創造への挑戦」の2つに、生活と冷食を密接なものにするための価値として「パーソナルユース」「消費満足度」「健康的価値」の3つを掛け合わせて、商品展開する方針だ。

特にパーソナルユース(個人向け)需要へのアプローチが注目される。

2022年春、山形工場に製麺ラインを導入して生産を開始した、個食麺では市場の拡大が顕著なラーメン類に照準を定めている。第1弾として今春「冷やし中華」を発売。気温の上昇とともに店頭の回転が加速しているという。これまで冷食には無かった、冷やし中華市場を開拓した。

第2弾はトレー入りの「極太つけ麺」(1人前420g)。つけ麺は家庭用冷食では10億円市場とみられ、チルド市場の4分の1。今回の新商品では「レンジ調理のみ&洗い物不要」という新しい価値を提案する。

氷の特性を利用して、レンジ加熱するだけで冷たい麺に仕上がる技術は「冷やし中華」から引き継いだ。つけ汁はセパレート式のカップに入っており、冷たい麺で食べるときはつけ汁だけ追加熱し、熱盛りで食べるときは一緒に600Wなら8分間加熱すると出来上がる。

現在、市場にある商品は麺を加熱した後に水でしめて、スープと麺の器を用意する必要がある。この調理と洗い物の手間を省ける点が大きな差別化ポイントになるとして需要を見込む。パーソナルユースではおかずにも着目した。

「極上ハンバーグ」(1食入170g)はレンジとボイルの両方の調理方法に対応した、自家製デミグラスソースのパンバーグ。船橋第二工場で生産する。

ニチレイフーズ「極上ハンバーグ」

ニチレイフーズ「極上ハンバーグ」

ハンバーグは家庭で手作り率が減少しているが、受け皿になっているのはチルドが多く、冷凍市場はチルドに大きく水をあけられている。チルドがレンジにもボイルにも対応することで、1食調理のパーソナルユースと複数調理のファミリーユースの両方に対応できるのに対して、冷凍品の調理方法はいずれか一方で、冷凍品のレンジ調理品にはデミグラス系が少ないという。このような市場背景から、今回の新商品を開発した。

同様にパーソナルユースのおかずになる、おつまみシリーズ「今日は家飲み」には、新商品として「ピーマン肉詰め」(110g)を追加する。

新規需要創造の取り組みとして、洋菓子にも挑戦する。「アップルパイ」「ベイクドチーズタルト」の2品を関東エリア限定で発売。いずれも3個入り規格。

市場はまだ確立していないが、大豆ミート商品にも、新商品の投入を継続する。今秋は「大豆ミートのシューマイ」を新発売する。

力強いカテゴリー政策としては、戦略カテゴリーへの新商品の投入を継続する。チキンにはトレンドとなっているだしをきかせた唐揚げとして「若鶏竜田揚げ」を、米飯には「にんにく炒飯」を内容量430gにして発売する。

お弁当商品では、食卓利用もできるマルチ性が必要だとして「かぼす醤油の鶏むね天」「紀州南高梅が香る梅しそカツ」の2品を新発売。

〈冷食日報2022年7月11日付〉